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『私の家に、新しい家族が来ました。』9





書きながら、ほかにも方法あんだろ!と思いながら突っ込んだ回。
人間、精神的に追い詰められると一つのことしか考えられない。という短点がある。という話です。
実質、子猫をこんな扱いさせるのもやばい話ですし。





今回も少し短いかもです。





 時として偶然と言うものは、非常とも言えるものであり。
 それがいつ起こるかなんて、わかるはずない。わかるはずがない。
 ましてや、目の前に現れた小さな子猫。過去に出会った子猫と瓜二つの子猫。
 偶然とは皮肉を生む、それが誰が言ったかはわからないけど。
 今はその皮肉を、非常に恨んでしまった俺がいた。




 写真を見ながら、悲しそうに語る時兎。
 まだ幼いが、純粋に嬉しそうに笑う瑠姫の姿。
 薄い桃色のワンピースを着て、頭には大きなリボンのついた帽子をかぶっている。
 その腕に抱かれた子猫も、幸せそうに瑠姫に寄り添っている。
 聖はそんな瑠姫の写真を、神妙な顔つきで見つめていた。
 「運命か否かは俺には分からんが、まさかこんな偶然があるとはな。
  だが、どうしてその子猫が今更お前さんの所に来たんだ?」
 写真をある程度見つめた後、再度時兎の方を見ながら聖は尋ねる。
 「そうね、その理由がない限りいーもん。とは言えないわ。
  見た感じ、あんたが見つけて買った。と言うわけではなさそうね。」
 詩織も気になったのか、続くように尋ねる。
 時兎は、その質問が来るのはわかっていたのか慌てる事なく冷静に答えた。 
 未だ悲しそうな顔はしていたが、その顔には少し笑みが含まれている。
 否、どちらかというと呆れ笑いだ。自分に対して呆れながら笑っているようにも見える。
 「それは今、説明します。ここからが、重要なので。」
 時兎は、ゆっくりとした口調でわかりやすく事の始まりを話し始めた……。





 それは、にゃんにゃんタワーが始まる2か月ほど前。
 時期としては、12月のクリスマスが過ぎた頃だろうか。
 当時別のレストランで給仕として働いていた時兎は、仕事が終わったある日、店長に呼ばれて休憩室に来ていた。
 休憩室で自分の入れたココアを飲みつつ、店長を待つ時兎。
 忙しいとはいえ、なかなか来ない店長に何してんだか。などと呟きながら携帯を弄る。
 「(あいっかわらず荒れてんな……また何かしたんか。)」
 お気に入りの曲を聴きつつ、携帯につづられるツイッターの文面を見ながら眉間に皺を寄せたり。
 適当にフォロワーの返信をしながら待っていると、扉を開く音がした。
 どうしたんすか?と首を傾げながら軽く尋ねる時兎。
 店長の顔は少し引きつっていた。手には布がかけられた箱らしきものがある。
 別に、今日は大きな失敗もしていないはずだが。と思いながらも時兎は店長の顔を見ている。
 すると、店長は恐る恐持っていた箱を、時兎の前に置く。そしてそのまま、かけていた布を取り去った。
 そこにいたのは、数匹の子猫だった。にゃあにゃあと鳴いて自分をアピールしているようにも見える。
 そして一匹のある子猫を見た瞬間、時兎は外しかけていたイアホンを落としてしまっていた。
 時兎の顔は、先ほどの呆けた顔とは違い目を丸くして驚いていた。
 そこにいた子猫の中に、思わず目についてしまった一匹の子猫。
 黒と白の毛並が特徴の、あどけない顔をした一匹の子猫。





  昔、瑠姫と一緒に見守っていた……あの子猫にそっくりの子猫が、確かに目の前にいた。





 「(な、なんで……?)」
 驚きのあまり、思わず目をこすって再度ケージを凝視する。
 確かに、その子はそこにいた。そして嬉しそうに鳴いている。
 ちらっと店長の顔を再度見ると、かなり申し訳なさそうな顔をしている。
 「す、すまんな時兎。実は俺んとこの嫁が猫を飼っててな……。
  子どもを産んだはいいが、予想以上にたくさん産んじまってさ。
  俺のとこで買い切れるわけもないし、引き取り手もなかなか見つからなくて。
  本当はレストランに連れてきたらダメだってわかってるんだが……。」
 そんな店長の言葉は、時兎の耳には入ってなかった。
 それよりも、なぜこの子がここにいるのか聞きたかった。
 だがそれを聞いた事で、店長がこちらの事情を知っているわけもないので、期待した答えなんて帰ってくるはずがない。
 驚く時兎を横目に、店長は更に続けた。
 「まさか、こんなに産むとは思わなかったよ。
  昔、偶然見つけた子猫が子どもを産んだ時はそうでもなかったんだが。
  その子の子どもが、どうやらハッスルしちまったみたいで……笑えないかな。やっぱり。」
 困った笑みを浮かべながら、店長は言う。
 偶然見つけた、となると野良を拾ったのだろうか。似たような子猫はいっぱいいるかもしれないから。
 でも、こんなに瓜二つな子はなかなかいない。あの子猫とあまりにも似すぎている。
 だとしても、こんな所で見つかるはずがない。だって、あの子猫は……。
 「て、店長。偶然見つけたって、どこで見つけたんすか?野良っすか?」
 恐る恐る尋ねる時兎。ある一つの答えを恐れながらも答えを待つ。
 店長は暫く考えた後、思い出したかのように声をあげていった。
 「ああ、そういや保健所で処分される前に子猫の引き取り手を探してる団体があってな。
  嫁さんがそれを見て、どうせなら一匹引き取ろうって事になったんだよ。
  今はその子は老衰で死んじまったけど。写真もあるぞ。ほら。」
 そう言って、店長は自分のロッカーから鞄を取り出して写真を見せる。
 そこに写る猫は、今ケージにいる子猫とそっくりの猫だった。





 「おいっ、あの子はどこに行ったんだよ!!」


 「あの子猫か?お前らには育てられないし、
  お前らよりよっぽどいい環境で育ててくれるとこに引き取ってもらったぜ。」


 「そ、そんな…………っ。
  ひどいよ、何でそんなに勝手に決めちゃうの?!」


 「てめぇらに育てられないから、俺がどうにかしてやったんだ!
  むしろありがたく思えっての!!反発される筋合いなんてねーよ!!ガキなんかによ!!」


 「…………っ!!!」





 大きくなってもわかる、見守っていた子猫の面影の残る猫。
 嘘だと言ってほしかったけど、皮肉にも現実はそうもいかなくて。
 昔言われたことが、鮮明に頭の中で思い出される。
 思い出したくもないある思い出が、頭の中によぎった。
 目を逸らせばいい、子猫飼えませんって断ればいいのに。
 なぜか、その言葉は発せなくて。むしろ黙って見つめている自分がいて。
 死んだと思ったあの子が、生きていたという事実が嬉しくて。
 今はもうこの世にいなくても、新たな命をつなげていた事も嬉しくて。
 「と、時兎?どうしたんだ?」
 困惑する店長の言葉にはっと我に返り、時兎は店長の方を見る。
 そして思わず、ある言葉を放っていた。
 「店長、あの……っ!!!」





 「ってことは、処分されてなかったって事になるわけ?」
 時兎が話していると、横槍を入れるようで悪いけど。と付け足しながらも詩織が質問をする。
 「はい、偶然前のバイト先の店長の奥さんが引き取ってたみたいなんです。
  何でも、あまりにも処分される子が多かったからって事で。」
 その中で選ばれるのもすごい事ですけど、と付け足しながらも時兎は乾いた笑みを浮かべる。
 他の野良や処分される子の事を考えると、簡単に喜べる事でもないのだが。
 それだけ、ペットに対して責任感を持たぬ人が多いという事になるのか。
 そんな現実をひしひしと感じながらも、聖は口を開く。
 「まさか、保健所に勝手に渡された後に他の人の手に渡るなんてな。
  幸か不幸か、生きながらえたのは確かって事か。」
 「そうなりますね。俺も絶対死んでいったって思ってたんで本当に信じられなかったです。」
 聖の呟きに簡潔に答えた後、時兎は話を続けていく。





 それからは、話が早かった。
 あの子猫にそっくりな子猫を引き取りたい。そう言うと店長は喜んで時兎に譲ってくれた。
 運よく、時兎が一人暮らしをしていたアパートは動物OKの物件。
 猫用のケージもエサ皿も、向こうが使っていたものを譲ってくれた。
 最初はここまでやるつもりはなかったのだが、ここで会ったのも何かの縁と思ったのだろう。
 すぐに、瑠姫に伝えたかった。だが、まだ飼ったばかりだし環境にも慣れさせなくてはいけない。
 人懐っこい子だとはいえ、いつ体調を崩すか分からないまだ幼い子猫。
 だったらもう少し大きくなってからでもいいよな、と言う時兎の独断だった。
 母親離れしたばかりの子猫を慎重に育てながらも、時兎は子猫と幸せな時間を過ごしていた。
 実家に連れて帰ると、親はすごく喜んでくれた。
 親も親で、時兎の事情を知っていたし何よりも猫が好きだったと言うのもあるが。
 あの子猫がそうなっていたなんて、思ってもいなかったから。
 あの子猫はメスで、この子はオスだったが彼らにとって性別はどうでもいい事だった。
 今ここにある命、今度は子どもだったあの頃よりも生活環境が整っている。
 もうこれで、あんな所に届けられる事もない。
 時兎は心の中で決意を固めながらも、猫との時間を大切にしていた。





 だが、それは哀れにもすぐ崩れ去った。
 ある日、所要により実家に帰っていたある日の事。自分の実家にあの男が来たのだ。
 理由は簡単、自分の姉との結婚を認めてほしいというものであった。
 いつものように、へらへら笑いながら来る男。
 猫と一緒にこたつでくつろぎながらテレビを見ていると、突然父の怒声が響いた時には驚いた。
 なんだと思いながら玄関を除くと、口論している男と父の姿。
 もちろん、父も男の事を嫌っていた。父は姉の夫と非常に仲が良かったと言うのもあって
 自分の兄に借金をすべて任せ、遊び呆けている弟が許せなかったのだ。
 そして俺には親の財産があるから大丈夫、と軽々しく口にして姉と結婚しようとする弟。
 真面目気質な所がある父には、そんな態度をとる弟が許せなかったのだろう。
 否、自分の家族や親戚はほとんど許していないだろう。自分の罪を他人に任せる、その態度が。
 いいから帰れ、そう怒鳴るも引き下がらない男。
 瑠姫が結婚した今となっても、諦めもしない男の態度に呆れるものもあるが。
 時兎は子猫を腕に抱きながらも、その喧嘩の様子を見守っていた。
 いつもならすぐに帰るのだが、今日は何かしら粘っている。
 もう時間がないとか、今までの態度は改めるとか。そんな言葉が相手から飛び交ってくる。
 そんな様子、微塵も見せてないくせに口だけは達者だなと怒鳴る父。
 娘が嫌がってるんだから、私が認めるわけないでしょうと怒鳴る母。
 無論、自分も同じ気持ちだ。だが相手は自分を常にバカにした態度で接してくる。
 なるべく関わるな、と父に念を押されたのもあり。時兎はその場から動かずただ見守っていた。




 しかし、それはかなわなかった。
 にゃあ、と鳴いてしまった子猫。その子猫の声を偶然聞いてしまった男。
 男の様子に気づき、後ろを振り向いてしまった父と母。自分がそこにいた事がバレてしまった。
 しまった!と言うように急いで子猫を抱えてその場から離れようとする。
 去り際に、ちらっと男の顔を見た時には後悔した。
 いいもんみいつけた。そう言うように笑う男の姿。
 にやりと笑うその歯は、タバコのヤニのせいで汚らしく黄色く汚れている。
 嬉しそうに笑う男の姿に反吐が出そうになったが、時兎は急いでリビングに戻った。





 リビングからすぐに自分の部屋に戻り、鍵をかける。
 荒れた息を落ち着かせながら、時兎は思考もめぐらせた。
 忘れているはずがない、瑠姫を深く傷つけた原因のものを。
 彼は、瑠姫を弱くさせるものなら何でも利用する。トラウマを植え付けたものなら何でも。
 彼女の夫やお世話になっている人が守ってくれてるとしても、いつほころびが出るか分からない。
 そのほころびのスキを、アイツが見逃すわけがない。
 あいつは、身体の暴力以外ならなんだってしかねない。あの笑いは何か思いついた顔だ。
 目線は確実に腕に抱えた子猫に向かっていた。だとすると……。






 「狙うのは子猫、その子猫でトラウマを呼び戻して……って事?」
 呆れたように呟く詩織、冷めてしまった紅茶を口に含む。
 「だろうな。たかが子猫ぐらい、って他の奴なら思うかもしれんが
  トラウマに続くなら話は別だ。……今の姫なら、精神崩壊起こしかねんかもしれん。」
 美味しくないわね、なんて呟く彼女を横目に聖は言う。
 あの時のダメージは減ったとは言え、昼のあの喜んでいた顔を見ると納得は出来た。
 朝に冬摩と瑠姫が喜んでいた理由がその子猫に関わるものだとしたら、はっきりとする。
 瑠姫がそこまでひるむとは思いたくもないが、最悪の場合と想定するとやはり注意は必要。
 そう考える聖を見つめながらも、時兎は話を再度続けた。






 男が帰った後、すぐに家族会議が開かれた。
 たぶん、あの笑みは何かをしでかすだろう。父はそう言った。
 その言葉には、時兎は素直に同意した。それは家族皆わかっている事だった。
 そしてそれが、自分達や姉にとって最悪の結末しか生まない事も。
 何度も、縁を切ろうと思った。だが、娘は未だ夫の帰りを待っている。
 そんな純粋な気持ちを断ち切らない事を良い事に、男は何度も求婚を迫っている。
 さっさと縁を切り、新たに他の道を進めばいい。何度も問うたはずなのに。
 それでも、待ちたいの。なんて笑う娘に何も言えない父は何度も嘆いていた。
 それに、父も父で孫である瑠姫を愛していたから、恨む事なんて出来なかったから。
 同じ趣味の話で何度も酒を交わした、瑠姫の父を恨む事なんて出来るはずがなかった。
 だからこそ、早く戻ってきてほしいのに。未だに戻らぬ彼に焦りも感じ始める今日この頃。
 時兎は、子猫をしっかり抱きながらも父と母の会話を聞いていた。
 子猫は、時兎の腕の中ですやすやと眠っている。
 まるでこの空気を知らぬ、純粋な赤子のようにすやすやと。
 すると、父は子猫に目線を向けると時兎にこういったのだ。
 次狙うとしたら、絶対にその子猫だ。と。
 神妙な顔つきで言うその言葉には、確かな説得力があった。
 あの目線、あの笑み。狙うとしたら確実にそうだろう。
 ましてや、向こうは自分のアパートの場所も把握済。いつ無理やり奪い去るか分からない。
 だとしたら、今この子猫をどうにかできるのは自分しかいないのだ。
 実家に預けたとしても、自営でなおかつ所長であり、普段あまり家にいる事のない父に守りきる事は出来ない。
 母も母で持病のせいであまり身体が良くない。任せるぐらいなら、と口達者な言葉を並べて奪われる事もある。
 のしかかる重圧、守らなければいけないという気持ち。
 時兎は、父の言葉に対して静かに一度だけ頷くだけだった。
 




 実家から帰った後、時兎は考えていた。
 帰る前に、心配になって姉の家に行き、あのメールに遭遇した次の日の夜。
 家にある布団の中で、一人枕をうずめながら考えていた。
 たぶん、男が行動に移すとしたら1週間後……否、最悪数日後か。
 カレンダーを横目で見る、今はバレンタインが終わったばかりの頃。
 確か、27日の昼と28日の朝に派遣の予定が入っていたはずだ。
 アンサー教会の、にゃんにゃん大会の景品をつめるて包装して、運搬する仕事が。
 そういえば、上位のプレイヤーに渡される景品は子猫のぬいぐるみだったはず。
 仕事内容が書かれたメールを見ると、そのぬいぐるみは運よいのかわからないのか
 今、自分が育てている子猫とそっくりな子猫だった。
 もしかしたら、もしかしたら……とある方法を思いつき時兎は深く考え込む。
 「(……でも。)」
 一瞬、考えた方法に時兎は我に返りダメだと首を横に振る。
 送る方法は速達、一日だけならエサとトイレシートを引けばごまかせるかもしれない。
 だが、その間に子猫が体調を崩したらどうするか。中身がバレてしまったらどうするか。
 バレないような場所に空気穴をあけるとしても、動いてしまったら元もこうもない。
 子猫を横目で見る、最近は寒いせいかあまり動かず布の中でくるまっている。
 音を出さないように、毛布などでくるめばバレないかもしれない。
 ……だが、それはいいとしても誰に送るべきか?
 下手に他のプレイヤーに渡したとしても、こちらに戻されるのがオチというものだ。
 そんな事をわかっていて、何をしようとしていたのか。
 無駄な賭けをしようとしていた自分にため息をつきながらも、時兎の悩みは27日のその日まで続いていたのであった。
 何も解決する事なく、そして運よく何もされる事なく……。




 しかし、運は時兎に味方した。
 2222位以上確定リストの中に、瑠姫のカードネームがあったのだ。
 バイト中に住所の書かれた紙をダンボールに貼り付ける際、偶然見つけてしまった。
 実は瑠姫とはSNS上でマイフレンド関係であり、よく瑠姫の日記を見ていた。
 (と言っても、SNS上では身内にバレないように近況日記は全く書いていないのだが。
  男自体はSNSをやっていない事もあり、瑠姫のカードネームはなぜかバレていない。)
 そこで瑠姫は、フレンド限定でカードネームを公開していた事もあり時兎はカードネームを知る事が出来た。
 前からキャラも男キャラで、気まぐれにやっていたあるクイズゲーム。
 にゃんにゃん大会には絶対参加します!と張り切っていたから適当に頑張れよー。とは送っていたけれど。
 まさか、ここまで這い上がってくるとは。時兎自身非常に驚いていた。
 競争率の高いこの大会、4ケタとはいえ2222位以内に入るのは確定。
 ずっと考えていた、ある方法ができるチャンスが来ていた。
 「(……瑠姫には悪いかもしれないけれど、やるしかない。)」
 この数日間、いい解決策もなくいつ遭遇するか分からなくて。
 だからと言って、このまま自分の元にいるのは危険すぎる。
 かと言って、任せられそうな友人も猫が引き取れない物件の友人しかいなくて。
 もうダメだ、と窮地に追い詰められた事もあり。
 時兎自身、もうこの方法しか考えられなかったのだ。
 出会ってしまった事の後悔と、瑠姫に対しての罪悪感を胸に抱えながら……。
 
 



 そして翌日の朝、最後の点検が終わり運搬作業に入る時。
 時兎は、こっそりあの子猫が入った箱に瑠姫の住所が書かれたシールを貼り付けた。
 もちろん、中にはアンサー教会がワードで作成した手紙も添えつけて。 
 空気が補えるほどの穴をこっそりと開け、閉めようとする前に子猫の顔を見る。
 子猫は、温かい布に包まれながらもすやすやと眠っていた。
 隣には、いつ
 時兎は、そんな子猫に癒されながらもすぐに悲しい表情となる。
 こんな形で、瑠姫と再会させたくなかった。本来なら、すぐにでも事情を話せばよかった。
 だが、今瑠姫に子猫を渡しにいってもその前に奪われるのがオチ。
 本来なら、もっといい方法がたくさんあったはずなのに。後悔の念は消えないまま。
 「……ごめんね、こんな事しかできない俺を、許してね。」
 そう謝って、急いでダンボールのふたを閉めてガムテープで補強する。
 最後の一つです、と声をかけてそっとトラックの片隅にダンボールを置く。
 運よく気づかれぬまま、積荷を入れたトラックは届け先に向かうべく工場を離れていく。
 時兎は、その様子をトラックが見えなくなるまで見守っていた…………。





 
  そして、次の日。瑠姫達の元には一匹の子猫が送られたのであった。
  何も知らず、子猫のぬいぐるみとして送られた一匹の子猫が……。



 



――――――――――――――――――――――――――――――――――



若干わかりにくいと思うので、解説←


時兎、偶然過去に飼っていた(そして勝手に捨てられた)子猫と瓜二つの子猫発見。



嬉しさのあまり、思わず引き取ってしまう。



実家に連れていったら、捨てた本人が見つけてしまう。



このままだと、捨てるぞとか脅して瑠姫や姉、自分たちがヤバイ。



偶然タワーの景品と子猫がそっくり。



だったら、一番安全かもしれない瑠姫の元に送ろう!




 
……というわけです。
結局は、行動がバレて瑠姫と男が遭遇してしまうわけですが。
ある意味、無茶な方法だと途中で書いて思ったのは内緒です。



プロフィール

myuu-0240

Author:myuu-0240
AnAnやQMA等、アーケードゲームに侵食されている

中身の日記です。

基本、色々だべっててまとまりはない←





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雑食が酷くなってる今日このごろ。どうしよう(ぁ)




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