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「私の家に、新しい家族が来ました。3」







子猫の対応の仕方をググッたら、ある意味やらないけない事をしてない事実発覚。
……まぁ、おいおい子猫が健康だった理由とかは書くつもりですが。
バイクの件も、検索しながら書いたから若干可笑しい所大量発生です。




あと拍手返信をば。



タカヤマさん>

お話の感想ありがとうございます!
今回は出来るだけ、場面が分かるように書こうかなと思って書いてるので
そう言っていただけると嬉しいです!
子猫に関しては、見た瞬間本物設定にしたい!と思っていたので
あんな感じになりました。想像と言うより妄想の塊です(笑)

不要と書かれてましたがバニラの香りの件について。
本当にすみませんでした…その話を聞いてから「これいいね!」と思い
採用してしまいました。許可なしで使ってしまいすみません←
スキンシップに関しては、いや…ついやらせたくなりましてw

拍手、ありがとうございました~!!





追記からどうぞ。






 嫌な夢。
 本当に嫌な夢だ。
 何で、いつも大人って勝手なんだろう。
 勝手に飼えないと決め付けて、責任もってどうにかするって約束したのに。
 結局は、他人に任せるばかり。
 特に”アイツ”は嫌な大人。
 私にとってもお母さんにとっても、害しかない大人。
 私の幸せをとことん奪う、ひどい大人。



 ねぇ、その子猫を何処に連れて行くの?
 確かに、私はまだ小さな子どもで、その子を育てきれない状況かもしれない。
 その車は何?そのおじさんは誰?
 ねぇ、何で車の中にたくさんの犬や猫がいるの?
 何で、その子達は吼えてるの?何で、その人にその子猫を渡すの?
 ねぇ、何で……笑ってるの?
 



 
    

    その子を、連れて……行かないで……!!!!!







 「………っ!!!」
 目を覚ます。まだ冬だと言うのに顔は汗で濡れている。冷や汗だろうか。
 顔は汗でぐっしょり濡れており、髪の毛が少し顔にひっついて気持ち悪い。
 気づくと、手を伸ばしていた。夢の中で何かをつかもうとしたのは覚えている。
 時計を見ると、まだ短針は5の字を指していた。まだ早朝になったばかりだ。
 瑠姫は、両手で汗をぬぐいながらもゆっくりと体を横に向ける。
 不意に、近くの簡易ベッドで眠っている子猫に目が向かう。
 子猫は、すやすやと気持ちよさそうに眠っていた。
 その姿を見るだけで、思わず笑みを浮かべる。ああ、この子はちゃんとここにいる、と。
 先ほどまで見ていた夢の内容を思い出す、嫌な過去の夢だ。
 子猫を拾い、家に持って帰ってきたが飼えないと断られ、
 絶望していた所に”アイツ”は追い討ちをかけてきた。
 その時の子猫と、今回の子猫は何処か雰囲気が似ている。
 生まれ変わったと言っても不思議ではないくらいに。
 だが、違うよね。と小声で呟いて瑠姫は考えるのを止めた。
 今は、この子をきちんと守ってあげないと。そう考え直して。
 「……君は、私がちゃんと可愛がってくれる人を見つけるからね。大丈夫だよ。
  見つからなくても、私が……護りますから。」
 子猫には届いてないだろうと思いつつも、小声でそう伝えると
 瑠姫は、再び目を閉じ眠りの世界へと向かうのであった。





 「それじゃあ、今日は僕が非番だから獣医には僕が連れて行くね。
  瑠姫と冬摩は仕事を、煉斗は頼まれた物買いに行くのを忘れないでね。猫の事心配かもしれないけど。
  朝の仕込みは、ぱぱさんが直接レストランに来るって言ってたし多分そんなにはないと思うけど……。」
 朝7時、3月が始まったばかりの日。
 トーストを片手に、慎はそれぞれを指差しながらも指示を与えていった。
 「分かってる、お前こそその子に変な事をしようもんなら……。」
 「子猫相手にそんな事しないって。そんな事したら瑠姫が怒るでしょうが。」
 珈琲を片手に睨み付ける冬摩に対し、慎は目を逸らすかのように瑠姫を見る。
 マーマレードを塗ったトーストを片手に、瑠姫は当たり前です!と強く言う。
 その勢いで、かりっと強くトーストを齧る。そんな姉の姿を横目で見つつ
 牛乳のラッパ飲みを終えた煉斗が、呟くように言った。
 「しっかし、ぱぱさんも突然だよな。いきなり今日朝仕事に出る。とか言い出すなんて。」
 「でも、緊急の仕事が出来たみたいだから仕方ないですよ。姐さんもあれでも忙しい方ですから。」
 煉斗の呟きに、瑠姫はトーストを一旦皿に置きながら言う。
 彼らの言う姐さんとは、いわゆる彼らが働いている(バイトしている)カフェレストランのオーナーでもある。
 輸入する食材関連、店の管理、宣伝、お客様の対応など店の中核部に携わる仕事を彼女はしているのだ。
 (とは言え、負担が大きいためかバイトの人材管理や食品在庫管理などは慎等に任せている部分もあるのだが)
 今回の海外旅行も、大きな仕事を終えた骨休めの為だったらしいが
 ある日、急にカフェレストランが通じている本社の人物…もとい姐さんの父親から急な連絡が入ったらしい。
 (いわゆる、カフェレストランはその本社の分社であり、個人経営ではない。)
 それ故、海外旅行の日数は減らされ緊急で帰国するはめになったと言う。
 当然、荷物持ちにと一緒に言っていたぱぱさんも一緒に。だ。
 「それだけ、猫の事も早めに言わなきゃいけなくなったってのもあるけどね。
  助かったのは、姐さんとぱぱさんが本社の近くのホテルに泊まるからまだウチには帰らないって事だけど。」
 「まーな、でも仕事場では会うんだけど……。」
 「その場合は口を滑らさなければいいだけ、ぱぱさんは朝のみって言ってたからそれをクリアすればよし。
  猫の件は、来るのが遅れそうだとか言い訳しといたらいいから。」
 ここ重要だよ、と言って慎は冬摩と瑠姫にそれぞれ指を指す。
 その言葉に関しては分かってる、と言うように冬摩は軽く手を上げた。
 そしてそのままちら、と子猫の方を見る。子猫はお腹が空いているのか何度も鳴いている。
 「……本当は、俺が飯をあげたい所だがそうも行かん。
  慎、子猫の飯は頼む。煉斗は食器の片付けを。瑠姫、先行くぞ。俺は仕込みの手伝いあるし。」
 残念そうに呟き、珈琲を飲み終えるや否や立ち上がってご馳走様。と軽く挨拶。
 そのまま自分の食べた食器を片手に、簡易ポーチを片手に一旦台所へと向かい
 皿を流しに入れた後、行ってきます。と軽く言葉をかけて冬摩はリビングから出て行った。
 「あー、そういや俺当番だった…でも間に合うかな。」
 「いいよ、僕がやる。子猫ちゃんのご飯もあげないと行けないしね。」
 そう言ってちょっと待ってね。と慎は手に持っていた哺乳瓶を片手に優しく子猫を抱き上げる。
 椅子に座ると、子猫をお腹の方を下にして、自らの膝の上に乗せてごはんだよー。と呟いた。
 更に多分大丈夫とは思うけど、なんて呟きながら子猫の口にそっと哺乳瓶の先を当てる。
 子猫は、最初はちろちろと舐めていたがお腹が空いていたらしく、こくこくと飲んでいった。
 「…………。」
 煉斗は、その様子を見ながらある事を呟きそうになったが、咄嗟の所で自らの口を自らの手で塞いだ。
 ミルクをあげながらも、慎は何?と言いたそうに煉斗の方を見る。
 そんな慎に、煉斗は何でもない。と言うように何度も首を横に振った。
 「ふふっ、慎さん。何だかお母さんみたいですねー……羨ましいです。」
 ご飯を食べ終え、慎と子猫を見つめていた瑠姫が最初は優しく、そして最後は強調するように言う。
 「はいはい、そんな事言ってる暇があったら早く仕事行きなさい。」
 「分かってますよー。」
 にこり、と軽く返されて不満げにぶすーっと顔をしかめつつ、
 瑠姫はミルクを飲み終えゲップを出そうとしている子猫に
 行って来ますね。と優しく囁いた。まるで母親のように。
 そしてそのまま鞄を手に取り、リビングの扉を開けて玄関へと向かって行く。
 行ってきます、の言葉は勿論忘れずに、だ。
 「……ねーちゃん、それ俺も思ったけどあえて言わなかったのに……。」
 「瑠姫はそこらへん甘いからね、仕方ない仕方ない。
  煉斗も早くしないと間に合わないよー。バイク使ってるからって遅刻しないとは限らないしね。」
 「わーってる。んじゃ、子猫の結果分かったらメールしてくれよ。
  特に、ねーちゃんと冬摩にーちゃんには、さ。」
 約束だかんな!と念を押すように言った後、黒いヒップポーチとバイクの鍵を手に取り席を立つ。
 勢いよくリビングのドアを開け、若干急ぎ足でそのまま玄関に向かった。
 やれやれ、と言ったように苦笑しながらいつのまにかゲップを終えた子猫に再び微笑む。
 しかし、再びリビングの方へ戻る足音がする。首を傾げ扉の方を見ると、足音の主が顔を覗かせて一言。
 「……行って来ます!」
 若干乱雑そうに言い捨て、主はバタンと大きめの音を立てて扉を閉めた。
 「律儀だねぇ、煉斗は。ま、そこがいいとこなんだけどねー。」
 ねー、と子猫の目を見ながら笑う慎。子猫は、意味が分かってないのか小さく首を傾げていた。
 





 

 「えーと、あとはこれとこれと……。」
 場所は変わり、瑠姫達の住む地域から少し離れたホームセンター。
 煉斗は、カートを押しながらも買い物籠の中に次々と品物を入れていく。
 その中には猫用のタオル、子猫用の缶詰、ミルク、餌皿、そしてブラシ等も。
 昨日は緊急でその時の分のみしか買っていなかった為、
 必然と物を補充しなければいけない状況になっていた。
 偶然、煉斗はバイトが休みだったのとバイクが使えると言う事で、
 少し離れた広いホームセンターで買い物をする事となったのだ。
 流石に里親を探す前提とはいえ、世話をする事には変わりないと言うのもあり
 慎から渡されたメモは、結構びっちりと買い占める事を前提に書かれていた。
 流石にサイフの中身は余裕を持たせてはいるが、まさかここまでとは…と最初は呟いていたが
 買い物をするにつれ、そりゃこれだけ必要にはなるよな。と思うようにはなっていた。
 感覚が麻痺しているか否かは、本人のみぞ知るのだが。
 「(しかし……さっき調べてみたけど、全然情報なかったな。
   どれ見ても、本物が来たって情報はなかったし……。)」
 朝に大学に資料を取りに行く間、そして買い物の合間にも、
 煉斗は細かくツイッターを見たりして他の受賞者の情報を探していた。
 だが、どれも来たのはあくまでも子猫のぬいぐるみ。本物が来たと言う情報はないのだ。
 (流石に、煉斗自身も本物が来たとか言う事は呟いてはいないのだが)
 当たり前かもしれないが、もしかしたら他にもいるかも…と調べてみた結果がこれだ。
 若干諦め半分で調べてみたものの、実際の結果を知るとやはり愕然とするものである。
 「(やっぱ、アンサー協会のミスって事で考えていいのかな。
   ま、病気の子猫押し付けないだけマシ。とも言えるけど……。)」
 そう思い、先程来た慎のメールを思い出す。獣医に連れて行ったが普通に異常はなかったと言う。
 子猫と言う事もあり、体調の心配もあったが子猫の育て方で大切な事を注意されただけで
 特に大きな病気もなく、このまま行けば健やかに育つとの事だった。
 メールを見た瞬間、自分も安心したがそれよりも
 自分の義兄や義姉が安心した姿がすんなり思い浮かんだのは言うまでもない。
 「(ま、そこは俺ひとりで考えてもどうしようもねーか。
   慎にーちゃん家に帰ってるって言ってるし、家に帰ってから考えよっと。)」
 そう思いながらも、ふと我に返るとレジの会計はすでに終わっていた。
 「しめて1万3千円になります。」
 にこにこ、と微笑みながら自分を見つめるレジのお姉さんの言葉に、若干笑顔が引きつった。
 それくらいかかるとは覚悟はしていたが、いざ実際見るとやはりそれなりにはお金はかかるものだ。
 「……一応、領収書発行お願いします。えっと、名前は慎、で。」
 サイフを取り出し、万札と千円札をそっと上に乗せつつ煉斗は言った。
 多分全額は帰ってこねぇとは思うけど、そんな事を思いながらも。






 ずっしりと重みのある買い物袋を片手に、ホームセンターの自動ドアを通り抜けていく。
 念のためと、餌を入れる用にリュックを持ってきたがこの量は入らない。
 一応、サイドボックスは持ってきたのでそれはそれで問題はないのだが。
 「この量結構重いんだよなー…スピード落ちるけど仕方ないか。」
 はぁ、とわざとらしくため息をついて自分のバイクの下へと歩いていく。
 すると、自分のバイクの近くに誰かがいるのに気づく。
 遠目に見る限り、知り合いには見えないようだが地図を片手にきょろきょろと周りを見渡している。
 疑問に思いながらも、煉斗は足早に自分のバイクへと向かった。
 そして、自分のバイクの下へと着くとしっかりとその人物の姿を見る。
 もこもこのコート、縁の赤い眼鏡、そして茶色のハネっ毛。
 男か女かは分からない、だが背は自分よりも低い。この際性別はどちらでもいい。
 とりあえず、近づいた自分にまったく気づいてないこの人に何か声でもかけてみるか。と煉斗は声をかけた。
 「……えっと、何してんスか?俺のバイクの前で。」
 声をかけられ、我に返ったのかオーバーと言わんばかりに思いっきり跳ね上がる。
 そこまでオーバーになるんかい、と心の中で突っ込みながらも煉斗は返事を待った。
 「あ、ご、ごめん。これ君のバイクだったの?いやー、ここの駐車場だだっ広いから
  ちょっと困惑しちゃってね…別にバイクに悪戯とかしようとか思ってないからね、ね?」
 「はぁ……。」
 若干慌てたように放つ言葉に、煉斗は返事に困った。
 あはは、と軽く笑うこの人は悪い人ではないらしい。それはなんとなく分かる。
 そんな自分を放置するかのように、彼は手に持ってた地図を煉斗に見せながら尋ねた。
 「えーっと、おにーちゃん。ここ分かる?僕ここに行きたいんだけど。」
 そう言って、もう片方の手で大きく赤く丸の書いてある部分を指差す。
 その場所は、煉斗に見覚えのある場所だった。いや、確かこの場所は……。
 「……ここって、俺ん家じゃねぇか。」
 赤く丸の指す部分、そして隣に書いてある住所。まさに自分の今住んでいる家の住所だ。
 しかし、ここから自分の家まではバイクで20分はかかる場所だ。
 近隣の駅もないこの場所に、何故この人はいるのか。
 「あれ、そーだったの?いやぁ、だったら俺ラッキーじゃん!
  まさかここに住んでる人にぐーぜん出会えるなんてさっ。バスで寝過ごしてどーしようかと思ってたら
  こんな所にラッキーがあるなんて。俺ついてるー!!」
 やったぁ!!と大げさに腕を上げて喜ぶその人物に、煉斗は一瞬呆気に取られていた。
 「(え、何でこの人こんなに喜んでるの?俺放置?)」
 喜ぶその姿を見つつ、煉斗は不意にある事を思い出した。
 そう言えば、慎から来たメールの他にもう一通メールが来ていた。差出人は、確か姐さんからだ。
 煉斗は、冷静になりつつも姐さんから来たメールの内容を思い出していく。




 Time:2012/ 3/1 11:00
 From:姐さん
 Sub:煉斗へ。


 元気?体調崩してない?早く会いたいわっ(><)
 でも、海外旅行は途中でキャンセルになって。急にお仕事が入っちゃった。
 せっかく日本に戻ってきたのに、まだおうちに帰れないのよ?
 煉斗をぎゅーっと出来なくて、姐さん寂しいわっ!!
 お仕事終わったら、絶対ぎゅーっとしてあげるからね、ね!!




 「(あ、いや違う。これは関係ないか。)」
  



 それで、煉斗にお願いがあるの。
 実はお昼に、会う約束をしていた人がいたんだけど
 どうやら、寝過ごしたとかで間に合わなかったらどーしよ。とか
 泣き着いてきちゃったの(-ω-;)迷惑な話かもだけど(笑)
 煉斗、休みでしょ?よかったら探して来てくれないかしら(-人-)
 ついでに、イタリアンレストラン『アンジェリカ』の近くまで送って欲しいの。
 慎に任せたら、多分余計遅れそうな予感がするから、お願いねっ!


 特徴は、赤い毛糸の帽子と赤いもっこもこのコートと……。




 メールの文面を思い出し、そして再び相手の顔を見る。
 ああ、もろそのまんまだ。当てはまらない所はひとつもない。
 もしかしたら別人かもしれない、でも相手は自分の言葉にあれだけ喜んでいるんだから
 間違ってるはずはない……。
 「えっと、喜んでるとこ悪いんだけどちょっと質問いいかな?」
 目の前で喜びのあまり、落ち着く様子のない相手に煉斗は冷静に尋ねる。
 「ん、なぁに?俺に何か聞きたい事でもあるの?」
 「いや、あんたもしかして姐さん…いや、詩織さんとと会う約束してる?」
 煉斗の質問に、彼は今度はきょとんとしたように見つめる。
 「あれ、詩織さんの名前知ってるの?まぁ地図見る限り君の家らしいから
  知ってるのも当然かぁ。いや、詩織さんがここに住んでるみたいだし
  ここに行ったら、『アンジェリカ』も近いかなぁ。と思ってさ。
  本当は『アンジェリカ』の地図も持ってたんだけど、ちょっと紛失しちゃったみたいでさー…。」
 ……若干マシンガントークになりそうな勢いで話す相手の言葉を何とか聞き取りつつ、
 煉斗は縦に頷きながらも、話を聞いていく。そしてある程度聞き終えた所で今度は自分から説明していく。
 「君の家って言うか一応、俺は詩織とこでホームステイの身なんだけどな。
  でも、『アンジェリカ』ってそこから結構離れてるぜ?
  着いたとしても朝は皆出かけてたし、逆に路頭に迷いかねないと思うけど。」
 と言うか携帯で調べられただろ、と心の隅で思ったがそこはあえて言わないようにした。
 煉斗は、この人物の天然っぷりにある身内の姿を思い出す。何となくだが似ている身内の姿を。
 「マジ?じゃあ俺ここで君に出会わなかったら、本気で間に合わなかったのか……。」
 「と言うか、詩織さんに連絡したらよかったじゃんか。何で連絡しないんだよ。」
 煉斗の図星を着くような発言に、相手は若干苦笑いをしつつ言った。
 「い、いやぁ。だってそれ気づいたのついさっきでさ。
  詩織さんに助けてー。なんてメールを送ったら今案内できる奴が店に行っちゃったって言うし。
  彼女は彼女で、他の子に今メール送ったからちょっと待ってなさい!って言っちゃうし…。」
 たはは、と軽く笑いながら相手は言う。そういや、姐さんと一緒にいる彼は今店で仕込みやってるから
 手は離せないんだっけか…と煉斗は思った。
 だからこそ、自分に白羽の矢が立ったのだろう。何かしら姐さんらしい判断である。
 姐さんは、自分が子猫の為に買い物行ってるとか知らないだろうし
 慎は車を持っているが、方向音痴である。逆にすれ違いが起きて解決はしないだろう。
 煉斗は、ため息をつきながらも相手に向かって言った。
 「まぁ、あんたの事情は把握した。
  さっき詩織さんからメール来て、あんたを『アンジェリカ』まで連れて来てくれ。って
  言われてるからさ。送って行くぜ。」
 そう言い、煉斗はサイドボックスを開き予備のヘルメットを相手に投げ渡す。
 相手はおっと、と小さく声をあげながらもヘルメットを受け取る。
 そしてそのまま空になったサイドボックスに、リュックに入れられない分の荷物を入れていく。
 「他に荷物はない?と言っても俺も買い物帰りだからそんなに入れられねーけど。」
 「んー、おっきい荷物はロッカーに入れてきてるからないかな。
  って後ろに乗るならリュックは俺が背負うべきかな?邪魔になるし。」
 大きめの音を立て、サイドボックスの蓋を閉める。
 「そうだな、と言うかあんたが乗れなくなるから必然的にそうなるだろ。」
 煉斗の言葉に、相手はですよねー。と言いつつ煉斗からリュックをもらい自分の背中に背負う。
 「うをっ、何だか重いねぇ。いっぱい買い物したと見た。」
 「それはあんたには関係ない事だろ。ちょっと重いが我慢してくれよ。」
 バイクに乗り、エンジンをかけると高等座席を軽く叩いて乗れ。と合図をする。
 その合図に乗るかのように相手は頷き、ぽんっと音を立てるように煉斗の後ろに乗った。
 「んじゃ、しっかり捕まっとけよ。安全運転は心がけるけど……。」
 「りょーかいっ。じゃあお願いしまーす♪」
 ぎゅっと煉斗の腰辺りに抱き着きつつ、相手は陽気に答えを返す。
 バイクはエンジン音を響かせながらも広いホームセンターの駐車場の出口へと向かっていった……。





 「冬摩さん、異常なかったみたいですっ!!よかったですね!!」
 所変わって同時刻、カフェレストラン『Answer』厨房にて。
 朝のモーニングセットが終わり、昼に向けての仕込みの途中
 携帯を見たのだろう、瑠姫は上機嫌で冬摩に話しかけた。
 冬摩は、若干苦い顔をしながらも瑠姫の方を向いた。
 「あぁ、そうみたいだな。と言うか声でかい。
  まだぱぱさんいるんだぞ……しかも仕事中だ。」
 ちょっとは用心しろ、と言わんばかりの冬摩の言葉に瑠姫は慌てて口を塞ぐ。
 あの後、普通にぱぱさんと会ったが何とか猫の事はまだバレてないらしい。
 お互い、まだ言わないでおこうと約束したはずなのに、
 慎からの報告メールでつい叫んでしまった妹に、若干頭を抱えたくなる冬摩。
 「ごめんなさい、でも嬉しくて……。」
 「嬉しいのは俺も同じだ。だがまだ謹んでおけ。
  いつぱぱさんが聞いてるか分からないんだから……。」
 野菜の仕込みを追え、トレーを冷蔵庫に入れた後
 軽く瑠姫の頭をこつん、と叩きそのまま手を洗う。
 叩かれた頭を抑えつつも、瑠姫はそっと自分の後ろを見る。
 後ろでは、昼の仕込みをしているぱぱさん…聖の姿があった。
 隣で一緒に仕込みをしている同僚に、これはこうしてと指示を出している。
 今はそれに集中しているのか、今の会話は聞こえて来なかったらしい。
 ほっと胸を撫で下ろしつつも、瑠姫は冬摩の方に向き直した。
 「えっと、冬摩さんは昼から空いてましたっけ?」
 「あぁ、今日はあの子もバイトが休みらしいからな。送り迎えもなしだ。
  多分、お前と同じぐらいに上がれるかもしれん。終わったらすぐに家に帰るぞ。」
 「そうですね、早く会いたいですし……。」
 そんな会話を繰り広げる二人の脳裏に、子猫の姿が浮かび上がる。
 その瞬間、二人の表情は少し柔らかくなる。冬摩は無表情なので雰囲気だけだが。
 お互い、里親を探す前提の事を忘れるほど子猫を気に入っているようだ。言うまでもないのだが。
 「何だ?誰に会いたいって?」
 一瞬、降りかかってきた声に二人は肩を震わせて驚いた。
 ほぼ同じタイミングで後ろを振り向くと、先程まで仕込みに集中していた聖の姿があった。
 「ぱ、ぱぱさん?!いつのまに……。」
 「いや、野菜の仕込み終わってるかなって思って来たんだが
  何だか上の空になってるからな。仕事中はいかんぞ。」
 表情には出してないが、少し厳しさのこもった言葉で二人に言う聖。
 その言葉に、二人はごめんなさい。と頭を下げて謝った。
 「あぁ、野菜の仕込みは先程終わった。サラダはこれですぐに用意できる。
  ぱぱさんこそ、肉の仕込みとかは大丈夫なのか?」
 「バッチリだ。今日はそこまで人多くないから目が回るってわけじゃねぇけど
  俺が帰った後でも、手は回るようにはしておいたぜ。」
 にかっと歯を向けて笑う聖に、流石ですね。と瑠姫も微笑みながら返す。
 厨房をまとめる存在とあって、動かす手は正確でとにかく早い彼。
 自分達が幸せに浸ってる間も少ししか経ってないのに…と冬摩は思ったが言わなかった。
 「ところで、会いたいって誰にだ?誰か会う約束してるのか?
  確か、瑠姫の旦那さんはまだ帰って来ないんだろ?冬摩の彼女も今日はここに来ないし……。」
 次々と出てくる相手の名前に、一瞬二人は凍りつく。
 子猫の話題が出てこなくても、この様子だと不意に口出しそうで怖い。(特に瑠姫は)
 お互いにそう感じたらしい、慌てながらも二人は返していく。
 「い、いえっ。何でもないですよ?そんな会いたいとか口に出してませんし!!」
 「ぱ、ぱぱさんの聞き間違いじゃないか?
  それよりも、仕込み終わったら姐さんのとこ行くんだろ?早くしないと間に合わないんじゃ……。」
 不自然に慌てる二人に、聖は首を傾げながらも時計を見る。
 「んー、まだ余裕はある。こっから『アンジェリカ』までは車だったらすぐだから。
  それよりも、俺は確かに会いたいって聞こえ……。」
 「あーっ!!私そろそろホールに出ないとそろそろお客様たくさん来るから準備しないと!!」
 「お、俺も忙しくなる前に倉庫の在庫でも確認しに行かないと……!!」
 再び尋ねようとする聖に、耐え切れなくなったのか瑠姫と冬摩は答える暇も与えずに
 お互い厨房の外へと出てしまった。
 明らか不自然な彼らの態度に、聖は納得がいかないらしく首を傾げたままだった。






 「……最近の子って、分からないもんだなぁ。
  と言うか、今日在庫確認冬摩担当じゃないはずなんだが。」
 そんな事を呟きながらも。
 





 ―― 続く。
プロフィール

myuu-0240

Author:myuu-0240
AnAnやQMA等、アーケードゲームに侵食されている

中身の日記です。

基本、色々だべっててまとまりはない←





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