スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カフェ『Answer』名物ウェイトレス誘拐事件 10




 ※タイトルの数字間違っていたので書き直し、……やっちまったぜ。


 
 連載も終盤辺りに差し掛かってきました。
 今回は、元のプロットが暴力部分が多いのでかなりカットしております。
 カットした部分は、いつになるか分かりませんが裏にて公開予定。
 慎の過去話は、何というか……表で公開できない表現が多々なので。
 なので、かなりすっ飛ばした感じになりますが解説は最後に入れていきますので
 ご了承くださいませ。



 連載、8月までには終わらせたいんだけどな(笑)
 後日談に関しては、確実9月に入りそうですが←



 君は、元からそう言う人間だったね。






 私は、間違ってるのかな。


 どうして?


 大事な人を守りたいのに、女の私には無理だって言われるの。
 女は、ただ守られていたらいいんだって。
 女は無力だから、ただ泣くしか出来ない存在だからって。


 ……それは、酷いね。


 ねぇ、私間違ってるかな。
 教えて。私はどうしたらいいの?どうしたらお母さんを守れるの?
 それとも、考え方を変えた方がいいの?こんな考え方馬鹿らしいと思う?
 でも私、無力なお姫様になんてなりたくないよ……!!




 ……大丈夫だよ。


 ……え?


 大丈夫だよ。君は、そのままでいい。
 そんなの、その人が勝手に決め付けた事なんだから、聞く必要なんてない。
 そう、聞かなくてもいいんだよ。


 …………。





  君は、そのままの君でいいんだよ。











ギリジンが教わった場所に駆けつけると、すでにとーま達がいた。
ヘルメットを外しバイクにかける。みな面持ちは神妙だ。会釈しつつ、軽く挨拶を済ませる
「どうも。遅くなってすみません。」
見慣れた顔に、とーまも会釈をする。そして、申し訳なさそうな顔をしつつ言った。
「…いや、大丈夫です。…すみません、巻き込んでしまって。」
「いえ、僕も彼女を守る義務がありますから。連絡ありがとうございます。
 (前方のマンションを見上げる)…このマンションですか。」
マンションを見上げるギリジンに、とーまは一度頷いて答える。
「はい、慎はもうすでに…。」
着いた時に見えた見慣れた慎のバイク。エンジンはまだ少し熱かった。
まだそんなに時間は経っていないが、もう相手と対面しているかもしれない。
…先程から、とーまの脳裏に嫌な予感が過る。さっきから離れない。何故だろうか。
「(正直、あいつが今日用事がある。と言った時から様子は可笑しかった。
  今思うなら、そこで気づくべきだったのかもしれない。迂闊にも程がある。
  何かを失う前に、止めなければ…。)
 ……急ぎましょう。じゃないとあいつが……。」
とーまがこのように明らかに不安の表情を見せることは、あまりない。事態は一刻を争う。
「ええ。行きましょう。」
お互い、一度頷いた後3人は、情報のもらった犯人と彼らのいるであろう部屋へと走っていった。
悲劇が起こる前に、彼らを止めようと……。 






「あんたなんかっ、あんたなんかっ、あんたなんかぁーっ!!!」
女は叫ぶ、ひたすら叫ぶ。その声は部屋全体に響く。
そして殴る、ひたすら殴る。男の腹を何度も殴る。
「慎さんっ!!」
身体を起こし、iceは慎の元へと駆け寄ろうとする。
しかし、バランスを崩して近くの床にずり降りてしまった。
痛みに耐えているその間も、女は慎を殴り続けていた。
慎は苦しそうな顔をしつつ、抵抗せず女に殴られていた。
だが、その目は女を写してはいなかった。ただ、じっと見つめていた。
その目も女は気に食わないらしく、ひとしきり殴った後慎の首元を引っ張り上げて
唾がかかるぐらい口を開け、叫び倒した。
「いつから、そんな口利けるようになったわけ?!
 あんたは、昔のままあたしの奴隷として生きていけばいいのよ!!
 その目も、その顔も、そのほくろも。何であんたなんかが……!!」
女は何度も何度も、慎に罵声を上げていた。
ギリギリと、自然と首元を握る手が強くなっている。
そして、唇を噛み締める。強く噛み締めすぎたせいか血が伝っていた。
だが、慎はひるむ事なくただ女を冷たい目で見つめていた。
その目線は、まるで目の前の者を哀れむかのようだった。
哀れみ、悲しみ、そして怒り。慎の中で、3つの感情が入り混じる。
どう表現したらいいか分からない、だがこれだけははっきりと言えた。
彼女は、”今も変わらない”と。




考えてみたら、昔からそうだった。
都合の悪い事は、全て人に押し付けて、自分は泥のない綺麗な道を歩いてきた彼女。
甘やかされて、怒られる事なくまるで女王のように育てられた彼女。
苦労は全て人任せ、自分は楽な道を選び続ける。
悪い事をしても自分は関係ない、自分は悪くない、そう言い続けて。
誰も怒らないのをいい事に、好き勝手していた彼女。
演劇の時もくじ引き等で自分がお姫様役になれなかったら、そのお姫様役の子を蹴落としてまで
お姫様を強奪する。そんな子だった。
全てが自分の思い通りにいかなければ、満足できない。哀れな子。
幼い頃の自分は、彼女のその部分に気づかなかった。
ただ幼い恋心から彼女と一緒にいたい、それだけの感情で一緒にいた。
その恋心に気づいた彼女に、利用されるとも気がつかないで。


おもちゃも、お菓子も、全て彼女に与えていた。
本当は、自分が欲しかった物を全て彼女に与えていた。
彼女の喜ぶ顔が好きだったから、例え利用されていても。
早くあの子から離れろ、と何度も言われた。それでも離れられなかった。
逆らえないからか、と聞かれた事もあった。それでも離れられなかった。
ただ好きで、好きでたまらなくて。報われなくても一緒にいたかったから。
そんな自分を、周りはまるであの女の犬だ。と罵っていた。
恋に盲目だった自分は、それでもいいと思ってしまっていたんだ。


でも、運命は残酷な物。
彼女が惚れたのは、自分と血の繋がった双子の兄だった。
だが、双子の兄はそんな彼女を酷く嫌っていた。
泥の道を歩く事のない人生を歩み、そして双子の弟を利用して自分に近づく彼女を。
しかし、彼女はそんな兄の思考に気づかなかった。
彼女もまた、恋に対して盲目になっていたから。
何度も、自分を利用して会おうとした。でも兄は会おうとしなかった。
苦しむ彼女に、兄を一時期恨んだ事もあった。
盲目であった自分は、彼女の本性に気づきもしなかったのだから。
だから尚更、兄は彼女を許せなかったのだろう。
自分の弟を、傷つける彼女を。


気づいた時にはもう遅く、僕はほとんど全てを失っていた。
ずっと彼女を好いていた10年近くもの年月。たった一言で崩れ去った僕の全て。
絶望に陥れた自分に、彼女は離れるんじゃないわよ。と僕を縛った。
その瞬間、僕の中で何かが壊れた。そして、怒った。
怒りの矛先は、彼女に向けてもいいはずなのに。
真っ先に向けたのは、自分の分身である双子の兄。
ただ、ただ泣き続けて、兄を罵倒し続けたあの日。
兄は、そんな自分を怒る事なく、ただ自分を慰め続けていた。
優しすぎるその行動、目を覚ました時はもう遅すぎて。
ずっと守ってくれていた兄に対して、結局何もできない自分を悔いた。
兄は、ずっと自分を守ろうと離れろ。と言い続けていたのに。
兄は、ずっと彼女と会わない事で自分と彼女の縁を切らせようとしていたのに。
ずっと、兄は自分を助けようとしていたのに。
気づいた頃には、もう遅かったんだ。



ここに来る前に、彼女とずっと一緒にいた親戚から言われた言葉。
”彼女を、助けてやってくれ。”
昔の自分なら、率先して助けていた。だけど、今は違う。
大事な存在を奪おうとしている奴を、何故助けなければいけない?
ふざけるな、戯言を大概にしろ。と。自然とその言葉が口から出ていた。
親戚の男は、そんな自分に対してごめんなさい。と何度も謝っていた。
止められなくてごめんなさい、でもあんたしかいないんだ。と。
一度でいいから、兄に合わせてやってくれ。と。
嗚呼、この男も同類か。それで解決すると思っている。
単純すぎる、実際そんなに単純ではないと言うのに。
彼女を守りたい、助けたい気持ちは伝わる。だが、方法が違う。
だったら、目を覚まさせてやる。自分なりの方法で、彼女を泥に突き落としてやろう。
夢の終わりという、泥の中に……。




  それが、自分の”助け方”なのだから。





そんな彼の本当の心を、今も彼女は気づかない。
彼が隠し続けている、本当の心を。表面しか見ない彼女は気づかない。
哀れな女。その言葉しか思いつかない。
そして女は気づかない、慎の冷たい目の真実を。
表面上しか見ない女には、絶対気づく事のない真実を……。
気づかない女は、罵倒する事しか出来なかった。
自分を何度も正当化させて、相手に罪を押し付ける。
それは、普通の人から見たら異常な行動である事に、彼女は気づかない。
今も、昔も、そしてこれから先も……。
慎は、何も言わずただ罵声を浴び続ける。それで気が済むのなら……と。




そして、慎の心に気づく者もそこにいた。
彼女より付き合いは短いはずなのに、その人は気づく事が出来た。
何故気づけたのかは分からない、でも伝わっては来る。
あの時見つめられた瞳だけで気づいた、彼が女に思っている今の気持ちは……。
「…………。」
顔をぶつけた痛みに一度は怯んだが、ゆっくりと顔をあげる。
さっきから、自分の大事な存在は罵声を浴びられ、殴られている。
幸い、女は自分に気づいているようだ。一つの事に夢中になると他は見えないタイプらしい。
その間にも、ゆっくりと間を詰めていく。女に気づかれないように。
自分は、慎の過去を知っているわけではない。だから、何かを言える立場ではない。
だが、自分を助けにここまで来た兄が、今は目の前で傷つけられている。
さらわれたのは自分の油断からなのに、今犠牲になっているのは彼。
縛られた手が痛む、でもそんな事気にしている場合じゃない。
今自分が出来る事、それは泣いて見つめる事じゃない。



「(慎さんは、私を助けるためにここに来た。
  でも、それだけじゃない。過去に立ち向かう為でもあった。
  前に進むために、夢から目が覚まさない彼女に見切りをつけるために……。

  私だって、そうだ。助けられてばかりのお姫様じゃ駄目なんだ。
  それじゃあ、前に進めない……!!)」



あの時から決めたではないか、その誓いを忘れた事なんて一度もない。
野蛮といわれ、落ち込んだ時もあった。でも忘れた事はない。
大事なあの人から教えてもらった、救われたあの言葉から生まれた、ひとつの誓いを。
そして身体を起こすと、真っ先に二人の間へと飛び込んでいく。
自分が変わるきっかけとなった、あの時の言葉を思い出しながら。




 
 大丈夫。君はそのままでいい。
 君は、君らしく。生きていけばいいんだから。

 大切な人を守りたい、と思う気持ちを悔やまないでいいんだ……。






「やめてぇ―――ッ!!!」
iceは、叫びながら勢いよく飛び上がって全身で慎と女の間に割り込む。
その瞬間、女は驚いて慎の首元から手を離し、バランスを崩して後ろに転んでしまう。
飛び上がった瞬間、iceは慎の腹部辺りに倒れこむ。
ドスッという音が、部屋に響いた。
「……っ。」
一瞬、のしかかられた瞬間殴られた痛みが慎の身体を襲うが、自然と手はiceを支えていた。
身体を張って守ろうとしたとは言え、流石に痛いよ。と思いつつも。
iceの行動には、双方驚きの表情が浮かんでいた。
「な、何すんのッ……!!」
女が起き上がり、iceを怒鳴りつけようとする。
しかし、その前にiceが強く睨み付けた事によってその言葉は遮られた。
そしてiceは、首を横に振りつつ何度も叫ぶ。
「もうやめて!!何で貴方は気づかないの?!
 盲目になったって、何も進めないの!!ただ迷うだけなんだよ!!
 これ以上こんな事したって、貴方に傷つくだけだよ!!
 慎さんは前に進もうとしている、もう貴方の知っている慎さんじゃない!!
 そんな慎さんを傷つけるのは、私が許さない。絶対に、絶対に!!!!」
いつのまにか、普段使う敬語は忘れていた。
ただ、叫んでいた。自分の思いをぶつけるかのように。それが通じずとも。
何度も叫ぶ妹の姿を見て、慎は一瞬呆気に取られてしまう。
だが、その叫びを聞いた後、フッと笑ってiceの頭を一度撫でる。
やれやれ、相変わらずだな。そんな事を思いながら。
「……ったく、iceは優しいんだから。十分、傷つけられた人が言う台詞かな……。」
そう呟いた後、上半身をゆっくり起こしてiceを腹辺りからどけて横に下げる。
そして一度目を瞑った後、はっきりと言い放った。
「……さっきも言ったけど、僕はもうあんたの奴隷じゃない。
 僕は、前に進むよ。君はずっと足掻いていればいい。
 永遠にたどり着かない、夢の道を進んでいったらいいよ。
 僕は、ついていかないよ。もうあんたについていくのは……ごめんだ。」
その目に、迷いはなかった。
そこには先程の冷たい目と合わせるように、真っ直ぐ何かを見つめる慎の姿があった。





「な、何よ……何なのよ……。」
だが、女はその言葉にも勘に触ったらしい。怒りで声は震えている。
傍にあったテーブルに手を伸ばす。
そして、置いてあった折りたたみ式ナイフを手に取ると、刃を露にした。
露になった刃が、ギラリと一度光る。
「何で、開き直るのよ。何で、そんな事言うのよ。
 奴隷の癖に、何でもあげたのに、初めてあげたのに。
 何で、何で、何で、何で……。」
彼らを見つめるその目に、焦点は合っていない。
その様子に気づいた慎が、無言でiceを自分の後ろに回らせる。
女の中では、二つの思考がぐるぐる回っていた。
ただ上手くいかない現実に向き合えず、戯言を言う彼らを許せない。
その思考が、彼女の頭の中でぐるぐる回っている。ただ、ひとつはっきり言える事。
彼らは、自分を否定した。それだけははっきりと分かった。
だったら、やる事は一つ。逆らう奴は、否定する奴は。




 「……こわれちゃえばいい。こわれちゃえばいい。
 


  こわれちゃえばいいのよォォ―――――ッ!!!」




叫びと共に、女はナイフを上に掲げて勢いよく振り下ろそうとした。
その瞬間、慎は身体を張ってiceを守ろうとする。そして、自分のポケットに手を伸ばした。
iceは、掲げられたナイフに強く目を瞑った。





  その時、一瞬時間が止まったような感覚が、した。






―――――――――――



実際のプロットは、過去話も含めてるのでもっと長いのですが
文字数や、暴力描写のカットもあり若干短めに。
実際の長いverは、長いしgdgdなのでかなりカットしております。
とりあえず、暴力シーンがもしかしたら表に出せないレベルかもなので……。
解説風味で出した慎の過去編は、公開するとしたら裏です。あまりにも酷いので←



あと3話で、終了予定です(ぇ)



コメント

Secre

プロフィール

myuu-0240

Author:myuu-0240
AnAnやQMA等、アーケードゲームに侵食されている

中身の日記です。

基本、色々だべっててまとまりはない←





ピクシブ
ここから


メール等はこちらからお願いします



myuu1268@yahoo.co.jp



カードデータ等はデータ参照で

An×Anのカードデータは>ここ

(2,20更新)





雑食が酷くなってる今日このごろ。どうしよう(ぁ)




最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
フリーエリア
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。