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カフェ『Answer』名物ウェイトレス誘拐事件 7





今回は電話相手の方でお送りいたします。
今回も、少し短めですがご了承を。



※今回、彼は普段は金髪ですが都合によって髪の色を紺色に変えています。




―― さぁ、賭けの始まりだよ。








「(バイクに乗りながら)……そういえば、あんちゃんさん。これは伝えようか迷ったんですが……。」

「は、はい」

「今、たまごを預かってもらってる友人の糸目には、協会員育成担当の教官の兄がいるんです。
 …よく、お隣さんに始末書を書けと言ってる兄が。」

「あー…時々お隣さんが愚痴ってる糸目さんかな…で、その方が一体…」

「その方が言っていたようです。……数日前、
 Sリーグの協会員のリストが何者かによって、盗まれた痕跡があった。と。」

「?!…それ、相当な機密文書じゃないの?パス抜かれたって事なら、
 相当な腕のハッカーか内通…いや、それは考えないでおこうか。それで」

「でしょうね。かなり参っていたみたいですから。
 どうやら、ある1人の協会員の情報目当てらしく…雑に荒らされた形跡があったようです。
 相手の狙いは……Sリーグエンタメ担当協会員。ハントじゃないか。と言われています。」

「なるほどなぁ…(点と点、は見えてきたかな…)ハントさんはロン毛協会員でも相当な人気者だけど、
 とはいえ個人情報のためにここまでガサ入れとは穏やかじゃない」

「相当焦っていたか、もしくは”あえて”雑に荒らしたか。俺にはよく分かりませんが、
 慎はその話を聞いた時から様子が少し可笑しかったんです。
 情報のガザ入れに慎の変貌、そして今日の事件。……最悪な結末にならないといいのですが。」

「同感だね。そうさせないためにも、急ごう」

「はい……あ、それとお隣さんに伝言もあるみたいです。
 どうやら、その盗まれた日の管理当番にお隣さんも含まれていたらしくて…;」

「(慎さん、無茶はしないように…)」

「…っと、なんだい?…お隣さん!?(あの人、たまたまとはいえ雑用のバイトで…;)」

「『スティーブン、貴方のせいではないとはいえ教官部長がお怒りです。
  何とかクビにならないようにはしましたが…始末書書いておけ、だって☆』……と。」

補足:どうやら、お隣さんと一緒に管理していた人のミスのようです。糸目さんクビにはしないで!と説得したらこうなった様子

「おお、もう…(お隣さん、おいたわしや…)おけ、今度何かおごっておくよ」








あるひとつのマンションの前で、男が1人月明かりに照らされながら
電話をしている、その表情は何処か険しい。
電話の向こうからは、戸惑ったような声が聞こえる。それを聞くと思わず笑いそうになった。
しかし、用件だけを言うとすぐに表情を戻し、問答無用で電話を切る。
男……慎は、携帯を片手にマンションを見つめていた。
紺の髪が、夜風に靡く。髪をそっとなでながら、慎は思った。
「(もうここには戻るつもりはなかった。だけど、あの女が妹を人質に取ったなら別だ。
  ……決着をつける意味でも、いい機会なのかもしれないね。)」



正直、あの女には関わりたくなかった。
過去と決別しようとしている今、自分の過去の部分を知っているあの女には尚更。
関わったら、僕だけでなく僕の大事な人の幸せも崩してしまうだろう。
だが、運命というのは皮肉なもので、偶然にも聞いてしまったあの話が
僕を、あの女との関わりを持たせようとする。
自分の弟的存在である彼の友人が、協会員関連の話をぼやいていた話を
聞いてしまった時から、何処か嫌な予感はしていた。
妹に近寄るあの二人組、それを用心して見つめている末の弟。
突然放り込まれたアンケート、二人組の様子を繊細に書いていた内容。
そして今日、あの女に仕えている男からの呼び出し。
……自分は、いつになったら過去から離れられるのか。
そう考えると、何処か憂鬱な気分にもなる。
決別しようとすると、出来なくなる時の気持ちとはまさにこの事か。皮肉なもんだ。



今回、もしかしたら自分は過ちを犯すかもしれない。だったら、その前に……。
とーまに、あんちゃんに『依頼を頼むように』とは言った。
次は…僕から、自分個人としての依頼を頼もう。
そう思うと携帯を片手に、ある電話番号を押した。そして数回のコールの後、言った。
「 ……もしもし、『案査探偵団』、団長のギリジンさんの携帯で宜しいでしょうか?」



所変わって、そのマンションから遠く離れたあるホテル。
ギリジンは鳴り響く携帯電話を取った。そして、聞き慣れた声を聞く。
かかってくること自体比較的珍しいので、おやと思った。
「はい。――『安査探偵団』ギリジンです。…どうされましたか?
しかも、こんな切り出し方とは…。いつもとは違う。何がとは言えないが、決定的に。

 

礼儀正しい彼の言葉に、慎は思わず笑みを浮かべた。こんな状態でも笑えるなんて、自分も変わったものだ。
声を聞くと、いつもの調子に戻りながらも続ける。
「…はは、いきなりごめんね?ちょっと頼みたい事があって電話したんだ。
 それと、謝罪。さっき、たまごが電話したでしょ。
 ごめんね、あの子テンパっちゃってさ。慌てて電話したみたいなんだ。」



口調はとりあえずいつもの彼に戻ったが、推測できる範囲で考えると
今の状況が「いつも」に戻ったわけではないと思う。先程の電話…たまご君がいたずらをするとは思えないし、
となれば何かあったと考えるのが普通である。現に、こうして慎さんからも電話があった。
「いえ、謝る必要はないですが…確かに慌てていたようですね。……何かあったんですか」



「(口調を戻しても、向こうにはバレているだろうな。あっちは結構勘が鋭いし。)
そう思いつつも口調は変わらないで、そのまま続けた。
「iceの事。聞いてたでしょ。 ねーちゃん、こっちに来てない?って。
 ……それで、何か気づかなかった?」
まずは、問いかけてみよう。もし気づいてないのなら…。



自分がたまご君から電話を受けた後、自分が彼女の携帯に電話しても出なかった。 
いやな予感がした。「解決済み」なら、慎さんがこのように話を切り出す必要はない。
「…iceさんと連絡がとれないのですが、それはそちらでも同じということですか。」



本当は、彼に連絡をするつもりはなかった。自分達で解決するつもりだった。
だが、たまごが連絡したなら別。…ごめんね。と心の中で一言、呟いた。
そしてひとつため息をし、伝える。
「…ああ、僕の方もさっぱり。はっきり言うよ。iceが、誘拐された。今、犯人の家の前。」



なんだそれは。超展開すぎて脳が一瞬ついていけなかった。
状況から考えて誘拐は考えていなくはなかったが、犯人の家の前? なぜ…というか、どうやって?
そして、なぜそんなところに行く前に言ってくれなかったのか。…これは分からなくもないか。
訊きたいことは山ほどあるが、今訊ける、というか訊くべきことはこれだろうか。
「誘拐犯の要求は何ですか? あと、場所はどこです?」



実は、飲みに行く。というのは嘘だった。
本当は、人に会っていた。犯人に関わっているあの人に。
予感はしていた。もしかしたら、大変な事になるのでは。と。
心配かけさせまい、と思った行動だったのに、あの子達は本当に期待を裏切ってしまう。
…今回の誘拐と場所もその人から聞いたものだった。
だから、今ここにいるのだが…とりあえず、要求は言わなきゃな。驚くかもしれないけど。
「誘拐犯は、”僕”目当て。…というか、”僕の片割れの情報”目当てらしいよ。
 場所は…今から言うからメモしてよ。」
最初言った事は、まず理解されないだろうな。と思いつつも、電話越しに彼に現在の居場所を伝えていく。



…慎さんをおびき寄せ、さらに彼の生き別れの兄の情報を手に入れるために、
わざわざ慎さんの妹を誘拐したというのか? 
なんて回りくどい。そして何より…いや何であれ、彼女を利用したことが許せない 
場所をメモするための筆記具を取り出す。
探偵の7つ道具のひとつであるそれを使い易いように、素早く体制を整える。
「はい、どうぞ。」


逃げ続けた自分も悪いが、許せないのは自分も同じだ。大事な妹を、こんな事に使うなんて。
しかも、あの変なオタク二人組を使ってまでやる事か。
場所を相手に教えながらも、犯人の行動に若干苛つく自分がいて。
「いじょ、場所についてはこれくらいだよ。
 あとは、これをあんちゃんに伝えて。
 とーまが、あんちゃんに『依頼』を頼んでいるから、また連絡は来るはず。
 それと…ここからは、僕からの『依頼』」
最後の方のトーンは、自然と声が低くなっていた。



ハチヤ君も関わっていたのか。…ここはあちらからの電話を待った方が良いかも知れないな。
分かりました、と一言。 彼の声が低くなる。こちらも声が固くなる。
「なんでしょうか。」



目を一度瞑り、ひとつ息をする。正直、これを言おうかどうか迷っていた。自分らしくもないのだが。
だが…言わないと、自分の感情の暴走故に妹に血の海を見せる事になる。その前に……。
「……今の僕は、感情に任せて犯人を殺すかもしれない。
 犯人は、片割れがあいつを受け入れるまで。必要に僕らを追い続けるだろう。これからも……。」
あいつは、今でもハントを愛している。そのためなら、自分を”ハントの代わり”として何度も使うだろう。
その前に決着をつけなければ…!
 



 「……僕が犯人を殺す前に、僕を止めてみせろ。探偵さん、
  これは……『依頼』であって『賭け』でもあるんだよ。」





殺すなんて、そんな…そんなことがあってはいけない。iceが見ている前でなら特に。
「…!」
続く彼の言葉に、現場に向かう足が止まった。何を言い出すのか。
『賭け』だって? こんな“くだらない”賭けがあるか。
「『賭け』って…。  ……『依頼』は承りました。絶対にやらせはしません。
 …これはiceさんのためでもあります。 」
そして、『依頼』遂行の一環として言う。どれほどの効果があるかは分からないが。
「無茶はしないで下さい。」



何となくだが声に、若干変化があった。挑発はしてみたけど、成功はするものだ。
この『賭け』は自分に対して言ったものでもあり、相手に対しても言った。
…くだらないかもしれないけれど、自分にとっては重要なこと。
僕を止めて。感情だけで動く僕を…。
「……分かってるよ。じゃ、待ってるから。」
そう言って、電話を切った。最後の方には、小さな声で『ごめんね。』と付け足す。
多分、聞こえてないだろうとは思うけれど。
 





電話を切った後、慎は一度目を瞑る。
止めて欲しい、止めて欲しくない。二つの感情が今も渦巻いている。
感情で動く僕を止めて欲しい、決別しようとしてるんだから止めて欲しくない。
矛盾ばかりが渦巻く頭の中、自然と唇を噛み締めている自分がいた。
でも、自分が悩んでいる間にiceが何かされるかもしれない。
そう考えると、自然と目は開き足は動いていた。



「(……待ってて、ice。もうすぐ行くから。
  そして、今回僕の過去に巻き込んだ事を……許して。)」



慎は、マンションの入り口に向かって走っていった。





―――――――――

Q,何で紺?金髪じゃなかったっけ?
A,今回の話の付箋なので、慎には紺というかダークブルーに染めてもらいました。

Q,とーまと色かぶらない?
A,気にしたら終わりです。

Q,今回書き方の形式違うよね?
A,小説のタブーかもしれませんが許してくださいorz

Q,結局、慎はギリジン君をどう思ってるわけ?
A,弄りはするけど、心の底では信頼出来る存在でもある。と言う事です。

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Author:myuu-0240
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