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カフェ『Answer』名物ウェイトレス誘拐事件 5



  誰も見たくないサービスと、犯人の訴え。






 ―― 俺だって、本当のねーちゃんを解放できなかったのに。
 




iceが犯人と対面していたその頃。とーまは青ざめていた。
斑目のメールを読み、慌てて来たら店の警備システムは壊れているわ、
入ったら入ったで、見たくもない光景が広がってるわで。
「……遅かったですね、とーま。あとちょっと遅かったら
 もっとお仕置きしていたかもしれませんよ。」
友人は、ため息をつきながら俺に何か言ってるし。と。
頭を抱えそうになったが、それを耐えて今の光景を再び確認してみる。
そこにいたのは、椅子に座って腹部を押さえているちゅんと、
犯人らしき男二人がキャラ物パンツ一丁で亀甲縛りにされ、正座させられながら泣いている姿だった。
犯人は顔を俯けながら、「僕は男に蹴られる趣味なんてないのに……。」と、何度も呟いている。
多分、彼らは斑目をキレさせたのだろう。斑目は普段はぽや~っとした人間を振舞っているが
実は、かなりの曲者でもあった。彼女に一途でもあり、更に言うと
キレたら何をするか分からない性格。この光景はまだマシな方であり
ひどい場合は、縛りつけて蝋燭拷問までしようとしていたからだ。
(何でそんな事知っているのか、と聞いたら本で読んだ。と返された)
呆れるとーまに、たまごは不思議そうにとーまを見た後にその光景を見る。
そして、見るや否やゲッ。と小さく声を出して気味悪がった。
一応、たまごは抱きつき癖があると言ってもどちらかと言えばノンケである、当然だろう。
……否、ノンケでなくてもこの光景は見るのは嫌だと思われるが。
「……お仕置きって、流石にこれはマズいだろう。
 この状況、他の人が見たらどう説明するつもりだったんだ。」
「他の人が見る前に、とーまを呼んだんですよ。
 だってこいつら、ちゅんに手を出したんですよ?これくらい当然です。」
とーまの言葉に、斑目はあっけらかん。とした表情で言い切った。
ある意味彼女馬鹿な発言なのだが、この男が言うと重さが違う。
多分この犯人の男達は、ちゅんを否定するような言葉を言ったのだろう。
もしくは、コンプレックスに引っかかるような言葉を。
それを言った事によって、斑目を敵に回してしまった彼らはある意味哀れとも言える。
斑目の行動は慣れているのだろう、ちゅんに関しては何も言おうとしない。
ただ、あまり見たくないらしく犯人達から目は逸らしている。
そんな男達は、まだ下を向いて泣き続けていた。正直言ってうっとおしい光景である。
「……おい、ちゅん。お前が言ったらこれやめるんじゃないのか?」
とーまは、ボソリと駄目元でちゅんに尋ねてみる。
ちゅんは、無理だ。と言うように無言でゆっくりと首を横に振るだけであった。




「……ちゅんねーちゃんが無事なのは分かった、それよりも……!!」
男達のすすり泣く声しかない部屋に、まず声を放ったのはたまごであった。
たまごは、1人の胸元の縄の部分を掴み、胸倉を掴む態勢をとる。
男は、その瞬間ヒィ。と軽く悲鳴を上げた。
「ねーちゃんはどうしたんだよ!!あんたらが主犯ならねーちゃんも一緒にいるはずだろ?!
 なのに、何でここにはいないんだよ!!」
怒鳴り散らすたまごに対し、男は震えているのかなかなか言葉を発しようとしない。
その男をフォローするかのように、やせた男がたまごに向かって言った。
「し、知らないよ。俺らだって予定と違う事が起こって戸惑ってたんだ。
 ほ、本当ならすぐに返すつもりだったさ。誘拐なんてするつもりは……。」
「……誘拐なんてするつもりがないんだったら、何でスタンガンなんて持ってきたんだよ。」
男が続けようとした時、ちゅんが半分ドスの聞いたような声で男に尋ねる。
彼女は彼女で、自分にスタンガンを押し付けた事は許せないらしい。
「そ、それは……iceたんはモップ使ってくるから危ないって言われて。
 ほ、本当は睡眠薬だけですませようと思って……。」
「睡眠薬だけでもって、それを使う事自体が愚かですけどね。僕にとっては。」
「お、お前は僕らに蹴りいれた癖n「黙りなさい。」
抵抗する男に対し、斑目は男の耳元ギリギリの壁に蹴りを入れる。
力は大分抜いてるらしく、壁はガッと大きな音を立てただけで傷はつかなかった。
それでも、壁を蹴ると姐さんが五月蝿いんだが…と、とーまはこっそり思ったのだが。
「……で、睡眠薬を使ってねーちゃんを眠らせてさらった後、
 お前らの欲望通りに動かそうとしたわけか。」
自然と、たまごの声のトーンは下がっている。胸倉を掴む手が自然と強くなっていた。
そんなたまごに、今度は縄を掴まれている方の男が言う。
「よ、欲望通りなんて……ぼ、僕らはiceたんに頼もうとしただけだ。
 あ、あの衣装を着てほしい。と。僕らが頼んだあの衣装を。
 あの店長が問答無用で駄目だ、と言ったあの衣装を……。
 だ、大体希望聞くって言うから頼んだのに、結局無視するし、だから……。」
ぼそぼそと言うその言葉に、たまごはチッと小さく舌を打った後
一度縄を前に引いた後、壁の方へと強く男を突き飛ばすように投げ捨てた。
男の身体は、壁に強く当たりぐっ…と苦しそうな声をあげる。
「…っざけんじゃねぇよ。あんな衣装ねーちゃんに着せれるかよ。
 あんなのイメクラじゃねぇか、俺らの店はそんな店じゃねぇんだよ。
 見たいならそっち系の店に行けよ、姐さんの思考とか無視してんじゃねぇよ!!」
ひたすら怒鳴り散らすたまごに、男二人はひたすら怯えるだけだった。
斑目に関しては、何の事か分からず首を傾げていた。
そんな彼の様子に気づいたちゅんが、そっと携帯を取り出し軽く弄った後、
ある場面を見つけると、そっと斑目に見せる。その場面を見た斑目はえ…と小さく声を出す。
斑目の反応を見て、とーまもやっぱりな。と言った表情をする。




斑目が見たのは、彼らが提案した制服のデザインであった。
白をメインにした、フリルやらリボンやらついているのは問題はないのだが。
問題は、その露出度である。スカートは膝上よりも遥かに短いし
胸が横から見えるようなデザインであった。背中には天使の象徴なのか羽のようなデザインがある。
流石に、これは狙いすぎだし凡人受けはしないだろう。と判断したのか
シャオニイは、このデザインを見た瞬間「却下。」と言い放ったのであった。
ちゅんも、メールでデザインが送られた時には絶句したと言う。




「ぼ、僕らだって真面目に考えて……iceたんは僕らの天使なんだし。
 それくらい、頼めばやってくれるかなって……。」
未だ震えたままの犯人達を見つつ、ちゅんは少し前にiceが言っていた事を思い出す。
自分は天使ではない。と言い切った彼女。その言葉を彼らにぶつけたらどんな反応をするだろうか。
絶望するのは目に見えている。でも、だからと言って彼らが素直に聞く人間ではないとも思える。
盲目、というのはこの事を言うのであろう。携帯を閉じつつちゅんは思った。
「頼めばやってくれるかな、なんて甘っちょろい事を言うもんだな。
 ……そんな事言ったら、慎が許さないだろう。」
「そ、それは……。」
呆れたように言い放つとーまに対し、犯人は言い返そうとするが一度口篭る。
犯人達が、あの慎の兄馬鹿っぷりを知らないわけではない。なのに何故そのような事が出来たのか。
それを聞こうとするが、男は目を逸らして何も言おうとしない。
そんな口篭った片割れに対し、殆ど諦めてきたのだろう。もう1人の片割れが話し始める。
「……慎に関しては、私が何とかするから大丈夫。ってアイツが言ったんだ。
 私なら、慎を止める事が出来るって……。」
淡々と話す男に、とーまはアイツ。という言葉に首を傾げた。
「アイツ、って誰なんだよ。お前ら以外にまだ誰かいるって言うのかよ。」
たまごのその言葉に、口篭った男が言ってよかったのか。と片割れに尋ねる。
片割れは、どうせ捕まるんだから……。と返し、続けた。




「僕らは、ただiceたんが好きなだけだったんだ。ただ、見てるだけでよかったんだ。
 iceたんの笑顔を見るだけで、嫌な現実だって生きていけた。iceたんは僕らの天使なんだ。
 天使のiceたんは、羽がなくて困ってたんだ。だから助けてあげたかったんだ。

 そんな時、僕らの願いをかなえてあげる、って。ある女が言ったんだ。
 最初は断ったんだけど、欲しいものがあるなら実力で取れ。って言われて……。
 僕らは、iceたんの本当の姿を取り戻すために協力する事にしたんだ。
 今のiceたんは、僕らのiceたんじゃないから。本当のiceたんを……。

 なのに、あの女は僕らからiceたんを取り上げたんだ!
 『そんな約束、した覚えない。私はあの人に逢いたいために
  あんた達を利用しただけよ。』って笑いながら言い放って……。
 iceたんを奪って、あの女はさっさと車で退散したんだ。
 今回の事件は、あんた達のせいであって私は関係ないわ。と言って……。
 僕らは、ただ利用されただけなんだ。僕らだって被害者なんだ。
 なのにこんな仕打ち……酷いと思わないのかよ。お前らそれでも人間かよ!
 夢見たっていいだろ、僕らの考え、間違ってないよな?!」





男は、泣きながら訴えていた。その様子に片割れも釣られるように涙を流す。
だが、現実というのは残酷でその涙に誘われる者は誰もいなかった。
当然であろう。犯人の言ってる事は殆ど我侭に過ぎないのだから。
その言葉を否定するかのように、たまごは吐き捨てる。
「……本当のねーちゃんを解放、だって?
 本当のねーちゃんは、今のねーちゃんだよ。お前らの思ってる天使のねーちゃんは偽者だ。」
「に、偽者だって?違う、僕らの考えてるiceたんこそ……。」
反抗する犯人に、たまごは壁を強く殴った。それを見た犯人は怯んで言い返す事が出来なかった。
「僕らのiceたん?ちげぇよ。ねーちゃんは物じゃねぇんだ。
 ねーちゃんはねーちゃんだ。天使な人間なんていねぇんだよ。
 そんなお前らの夢見がちな思考のせいで、ねーちゃんが危険に晒されてるんだよ。
 お前らだって確かに被害者かもしれねぇけど、協力してるんだから加害者でもあるんだよ。
 酷いって思ってもらう前に、自分の欲望に溺れた自分を酷いと思えよ。馬鹿が。」
犯人に訴えるたまごの表情は、悔しさに満ち溢れている。
自分が早く行動に移していれば、今日意地でも店に残っていれば状況は変わっていたかもしれない。
変わらなくても、それでも……まだ幼い自分が悔しくて。悔しくてたまらなくて。
自分の大事な人が、こんな奴らのせいで危険に晒された。それが憎くてたまらなくて。
表情から、ひしひしとその様子が感じられていた。
悔しさから唇を噛み締めるたまごを見て、犯人達はやっと自分のした事に罪を感じたらしく
肩を落としながら、顔を俯ける。
自分達も同じ気持ちなのか、とーま達はそんな彼の様子を黙って見ているだけしか出来なかった。




そんな中、沈黙を破ったのはとーまの携帯であった。
突然部屋中に鳴り響く携帯。とーまはそれを慌てて手に取る。
着信の所を見ると、見覚えのある名前があった。
空気読めよと。と言う斑目の冷たい視線を浴びつつも、とーまは急いで携帯を開く。
そして、着信ボタンを押して電話に出る。
最初は呆れたように話していたが、だんだん声を表情が焦った物に変わっていく。
たまごは、それに気づき首を傾げながらもとーまの方を見る。
電話を切る頃には、とーまの額には嫌な汗が伝っていた。
そして、とーまは無言で携帯をしまいながら斑目に言った。
「……斑目、たまごを頼めるか。」
「にーちゃん?」
とーまの言葉に、斑目は何かを感じ取ったらしく一度だけ頷く。
突然の兄の発言に、たまごは何があったのか。と言うようにとーまの服の裾を掴む。
とーまは、そんなたまごの方を向きつつ言い放つ。
「……たまご、お前はここで斑目と一緒にいて、警察に連絡してこいつらを連行しろ。
 俺は、ちょっとあんちゃんの所に行って来る。……もう1人の目星がつけそうだ。」
「何で?!さっきあんちゃんに関係ないって言った……。」
じゃないか。と続けようとした時だった。とーまの表情を見ると思わず口篭ってしまったのだ。
今まで見た事のない兄の不安にかられた表情、一体何を言われたのか。
それを聞こうとしたが、その顔を見ていると何故か聞けなくて。ただ、聞けたのは。





 「……ねーちゃん、見つかるよね?」






「……多分、見つかる。……大丈夫だ。」
たまごのその言葉に、とーまは小さな声で言うだけだった。
その言葉を聞くと、たまごはだったら。と何も言わずに頷いた。
頷いたのを確認すると、そのままとーまは走って部屋を出て行った。
不安が大きくなったのはたまごも同じらしく、ぐ。と握りこぶしを作る。
斑目は、そんなたまごの肩をそっと叩いて、大丈夫ですよ。と言う。
ちゅんは、二人の様子をただ黙って見ているだけであった。








――そして、舞台は変わる。
ある、ひとつの大きなマンションの前。携帯を片手に、男が1人立っていた。
男は、携帯を開いたままマンションを見ている。
表情は何処か暗く、だけど何か決意を決めたような表情だった。
その赤い瞳は、あるひとつの部屋をただじっと見つめていて。





「……結局、あんたはまだ抜け出せないんだね。」





月の下で、そう一言呟いた。






――――――――――――

Q、何で亀甲縛り?
A、とりあえず、キモいだろうなぁと言う状況にしたかったんです。

Q、デザインの予想がつかない。
A、後日また絵とかでうpします。





Q、小説の内容が意味不明
A、ごめんなさい(ぁ)


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myuu-0240

Author:myuu-0240
AnAnやQMA等、アーケードゲームに侵食されている

中身の日記です。

基本、色々だべっててまとまりはない←





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カードデータ等はデータ参照で

An×Anのカードデータは>ここ

(2,20更新)





雑食が酷くなってる今日このごろ。どうしよう(ぁ)




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