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カフェ『Answer』名物ウェイトレス誘拐事件 4

ここでちょっと、娘のターン。


※ヤンデレ要素アリ、苦手な方要注意。






ずるいわよ、貴方だけが幸せになるなんて。
―― ほ、ほら。約束どおり、つれてきたよ。
    あ、ああ。相変わらず可愛いなぁ……iceたん。ハァハァ。
    眠った姿も、とても可愛いよ……。

    これで、僕たちの望みもかなえてくれるんだよね?!
    さ、早く彼女を連れて家に行こうじゃないか!!
    貴方はあの人を、僕らはiceたんを好きにする。これでいいんだよね?

    嗚呼、iceたんを本来の姿に戻せる日が来るとは!
    貴方には感謝しているよ。まさか、僕らの願いを
    かなえてくれるなんて……。



    え、え、お、お前何だよ。一体何す……ぐっ!!

    ちょ、ちょっと待ってくれよ。約束が違うじゃないか!!
    僕達の望みを叶えるって約束は、どうなるんだよ!!
    そんな約束、した覚えないって?!
    う、嘘つくなよ!!だったらiceたんは渡さないよ!!
    この計画だって、本当は気が引けたんだ!!
    iceたんを傷つける事に、どれだけためらったと思って……。
    う、うあああ!!や、やめてくれぇ……。

    い、いでぇよぉ……いだいよぉ……。

    ぼ、僕達はただiceたんに……。
    ……キモいって言うなよぉ……そういうお前らだって……ぐぁっ!!

    あ、あああ…………。





    ……馬鹿な男達、やっぱり。あの人以外は男はつまらない。
    あの人だけが、私を潤してくれる……。








とーまが焦って店に向かう頃、iceは動き始めた。
色々思い出している間に、悔しいという感情が募るばかりでどうしようもなかったらしい。
ちゅんは一緒にいない、きっと店に残されたのだろう。
だとしたら、今ここにいるのは自分ひとり。幸いにも犯人の姿はないらしい。
皆を心配させている。だったら、せめてその負担を減らさないと。
今がチャンスだと思ったのか、iceは一度周りを確認するとベッドから起き上がった。
手には縄を縛られていたが、後ろ向きに腕を回されて縛られたのではなく
何故か前向きに回されて縛られたため、起きる事が出来たのだ。
何故かは分からない、きっと縛ったのはあの男達だろう。
緩く縛っているのか、あまり痛くはない。だが、手を動かそうとしてもほどけそうにない。
強く、横に無理やり引っ張ってみる。しかし、千切れるどころか伸びもしない。
ビニール紐で縛ったらしい。そんな優しさいらなかったな。と思う。
ため息をつきたくなったが、そんな暇はない。早く脱出しなければ。
そう思い立ち上がり、縛られた手のまま部屋を出て行こうとした。




まずは、扉を開けようとした。
……しかし、当然のごとく扉には外側から鍵がかけられている。
だったら窓からだ。と思いおぼついた手で窓の鍵を開け、ベランダに出る。
ベランダから下を覗き込むと、地面と何十メートルもの差があった。
ここから飛び降りても、生きて帰れる保障はない。まして、不自由なこの手では。
生憎、iceの運動神経は家族メンバーの中でも低い方だった。
アスレチック要素で、自分の身体を縄で縛って降りていく……なんて事は出来ない。
(それをやりたい。と言ったら、家族全員に全力で止められた。)
ましてや、今は手が縛られている状況だ。出来るはずがない。
何か、何か方法はないか。と、室内に戻りとりあえず自分の手をどうにかしよう。と考えたのか。
iceは、何か切る物を探すために辺りを見渡し、電気を見つけるとそのスイッチを押す。
そして、ふと気づく。部屋の壁一面に貼られている何かを。
最初はよく見えなかったが、明るくなった室内の中それはよく見えた。
そして、貼られている物を見て一瞬背中に悪寒が走った。
それは、ドラマや小説などではよく見かける光景だが、実際見るのは初めてだった。
正直に思った。恐ろしい。と。それ以外どう表現しろというのか。



壁一面に貼られているたくさん写真。
それは自分のよく知る人物と、その人物によく似た人物の写真であった。
どこで撮ったのだろうか。外を歩いている所は勿論、外食中や立ち読み中等の写真もある。
彼は気づかなかったのであろうか。いや、気づいていたかもしれないけれど、
いつだって彼は、気にしないフリをしていた。無視するのが一番。と言って。
しかし、最も恐ろしいと思ったのは彼によく似た人物が写った写真であった。
マッチングの時は、散々人をからかう癖にこんな顔をするんだな。と思う暇も与えないぐらいに。
その写真は、彼は笑っていたがその隣に移っているらしい人の顔が切り刻まれていた。
よく見ると、そんな写真が幾つもあった。彼だけが傷つけられていないのだ。
まるで、彼に近づくな。近づいて欲しくない。と言うように。
ここに自分を連れてきた犯人は、彼やその人物と何の関係があるのだろうか。
その写真を見ながら、iceは以前写真に写っていた彼との会話を思い出していた。







――― 貴方って、やたらと自分の恋愛に関しては厳しいですよね。
    身体だけの関係は駄目とか……どうしてですか?

    ……んー、まぁ自分は偉そうに言える立場じゃないんだけどね。
    僕自身が、イヤな体験をしたから家族にはそうなって欲しくないって事。

    イヤな体験……ですか?
    もしかして、以前好きな人がいたんですか?

    僕だって男だもん、恋ぐらいはするさ。
    ……今も思い出すだけで、反吐が出そうだけどね。
    相手にも、そして気づかなかった僕自身にも。

    …………。

    心は通じなくても身体だけで通じ合ってたら…なんて、悲しいだけだよ。
    空しいと分かりつつも、止められないのはその人の性だって分かっているけどさ。
    現実に、そんな夢みがちな事言ってられないのも分かってる。
    それでも……それでもさ。やっぱり、虚しいんだよ。
    ただ、身体だけの関係。と言うのはね……。

    




あの時見た、悲しそうな笑顔。
最近、そんな顔をする事が多くなった気がする。
忘れていた過去を全て思い出して、振り返らないと言いつつもやはり思い出してしまうのだろう。
人と言うのはそういうものだ。思い出したくない過去でもふとした事で思い出してしまう。
やはり、彼は今も思い出すのだろうか。それを尋ねてもきっと誤魔化すに違いないけれど。
よく見ると、写真の中には小さな二人の子どもが写っている写真もあった。
きっとこれは、貼ってある写真の人物の子どもの頃の写真だろう。
外見が瓜二つの二人の姿を見ると、より一層彼らが他人ではない事を象徴させる。
「(……やっぱり、二人は……。)」
彼は、最初は否定していた。アイツとは関係のない真柄だと。
真実を知った後でも、アイツはアイツだ。と突き放していた。
しかし、写真に写る二人はとても仲睦まじくて。
お互いの顔を見て、笑顔で写っている写真を見ていると
彼は嘘をついているのではないか。と思うばかりだった。
でも、彼は普段から嘘つきだから。あえて言わないのだろう。
それが、彼の性格であるから。それが、彼の優しさでもあるから。
嘘つきで優しいチェシャ猫。以前シャオニイが言っていた言葉。
まさにその通りだ。彼はいつだってそうだ。
分かっていたつもりだけど、いざ分かると悲しくなる。
彼は、私以上に傷を負っていると言うのに……。




悲しく耐え切れなくなり、iceは下を俯いた。
すると、目線の先にはひとつの日記帳があった。
その日記帳は、使い古されているのか所々ボロボロになっている。
「(……これは、もしかして犯人の日記?)」
人の物を見てはいけない。と思いつつも好奇心からか、自然と日記帳を手に取る。
もしかしたら、何か手がかりがあるかもしれない。
近くにあったテーブルにその日記帳を置くと、そのページを一枚一枚開きつつ読んでみた。



―― あの人が、まだ振り向かない。
   あの人の弟に協力してもらって、何度も振り向かせようとするけれど。
   あの人の隣には、いつだって別の女性がいる。
   何で、私に振り向いてくれないのかしら。
   私は、いつだって貴方のものなのに。


―― あの人の弟は、愚かだ。
   私が、あの人を手に入れたいがために利用した。という事を知っただけで
   ショックを受けていた。
   あの人が処女は嫌い。って言うから、協力してもらっただけなのに。
   本当に、お互い愛していた。と思っていたのね。 
   馬鹿な子。でも、逃がさないわ。あの人を手に入れるまで。
   貴方は、私の奴隷なのよ。あの人の代わりでしかないのよ。


―― 二人が、私の前から消えた。
   どうやら、あの弟があの人に言ったらしい。
   飼い犬に手を噛まれた気分よ、本当に憎たらしい子!
   血を分けた兄弟だからって、あの人は弟に甘すぎる。
   許さないわ、私は貴方達を逃がさない。
   貴方の隣にいるのは、私だけでいいのよ!!


―― 弟を見つけた。でも、彼は私の事を覚えていなかった。
   記憶喪失?嘘も程ほどにして欲しかったけど
   どうせ忘れているなら、また植えつけてもいいのよね。
   だったら、私も嘘をついてあげるわ。あの人が見つかる最大の鍵なんだから。
   逃がしやしないわ。絶対に。絶対に……ね。


―― アイツが病院から逃げた。
   何故、何故、何故?!私はまだ何も教えてもらってないというのに!
   看護婦が話していた噂を聞いた。私が会いに来る度様子は可笑しかったと。
   アイツは、やはり嘘をついていたの?!アイツは、私に気づいていたの?!
   許さない、許さない、許さない!!!絶対に見つけてみせる!!
   アイツは、私の奴隷なのよ。逃げ出す事なんて許されないのよ!!!
   許さない、許さない、許さない!!!逃がすものか!!!!


―― やっと、見つけた。
   あの人を探してから数年後、私はどれだけ待ったと思っているの。
   黒いスーツを見に纏う姿。目をサングラスで隠していても分かるわ。
   でも、あの人は私に気づかずに行ってしまった。焦らしているのかしら。
   やっと会えた。貴方の傍にいられるのは、いつの日かしら。

   弟は、カフェで働いているらしい。
   記憶喪失は本当だったらしいけど、性格が殆ど変わった彼には驚いたわ。
   でも、分かるのよ。まだ彼は私に怯えている。
   大事な妹が出来たみたいね。あの子の事を守りたくて必死じゃない。
   私には分かるのよ。何年、一緒にいたと思っているの。

   いいわ、貴方に絶望をあげる。
   ちょうど、あのカフェの常連のキモオタどもが妹に惚れているみたいじゃない。 
   だったら、利用してあげる。そして、連れ戻してあげるわ。
   私を散々待たせたんだから、それくらいは……。



日記は途中で終わっていた。しかし、震えは止まらなかった。
日記の間に必ずと言って良いほど書かれていた、その赤い文字に。
赤いボールペンで、”あの人”の本名らしい名前をびっしりと書いていた。
強く、書きなぐるように。それだけでも震えが止まらない。
ホラーには耐性があるとは思っていたが、実際に見るのとそれとは違う。
彼女は、どうするつもりなのか。彼らに何をするつもりなのか。
誘拐の意図は分かったけれど、その前に彼らに知らせなくてはいけない。
きっと、彼の事だ。ここに来るに違いない。
これは罠だ。来てはいけない。それを伝えなくては。
例え、自らの身が犯人によって滅ぼされようとしても。家族に被害を与えたくない。
震える手で、日記をそっと閉じて実行に移そうとしたその時だった。
「……!!!」
暗くなる室内、突然の事に身体がビクッと跳ねた。
日記に夢中になりすぎていたらしい。電気を消された事すら気づかないなんて。
恐る恐る扉の方を見る、月明かりで映し出されるその姿。
クスクスと笑う彼女は、扉の前から動こうとしない。
震えてはいけない。と思いつつも震えてしまう。相手から狂気しか感じられない。
思わず、手を強くギュっと握った。
「(……駄目、震えたら……駄目なのに。
  どうして、震えるの。駄目、駄目……。
  やだ、怖いよ。どうしよう、誰か、誰か……。)」
iceは涙を流すと同時に、心の中で愛する人の名前を、何度も叫んでいた。
家族、そして今は仕事でここにはいない……愛する彼の名前を。





iceのその様子に、彼女はニタリ。と笑うだけだった。






続く










※過去を振り返るかは人それぞれだけど、ふと思い出す事はあるよねって事で記述。
 赤い文字に関しては、書こうかと思ったけど怖くて書けなくなったのでカット。
 泣かせようか泣かせまいか迷ったけど、誘拐なら泣かせた方が雰囲気出るよね!と言う事で←

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myuu-0240

Author:myuu-0240
AnAnやQMA等、アーケードゲームに侵食されている

中身の日記です。

基本、色々だべっててまとまりはない←





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myuu1268@yahoo.co.jp



カードデータ等はデータ参照で

An×Anのカードデータは>ここ

(2,20更新)





雑食が酷くなってる今日このごろ。どうしよう(ぁ)




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