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ある男と少女のささいなお話『作戦と決着 後 』

下の記事の続編です。
注意書きなどは、下と同様です。




では、どうぞ。





ひとつ、尋ねるよ。


……何ですか?


君は、彼が過去に愚かで残酷な事をした。という事を知っても
彼を愛する事が出来るの?


……何で、そんな事を聞くんですか?


一応、ね。浅はかな気持ちを持っているようだったら
考えを改めさせるつもりでいるんだけど。
君には、その覚悟を出来てるのか。正直に答えて欲しいんだ。

これは、君の為でもあるからね。






……愚問、ですね。


……ん?


私を馬鹿にしているんですか、貴方は。
彼の過去を知って、逃げるようなら私は彼をここまで好く事なんてない。
そんな覚悟ぐらい、とっくに持っています。
母だって、未だ帰ってこない父をずっと愛しているんですから。
そんな母の血を受け継いだのかもしれませんが、私が彼がどんな存在であろうと
彼を、支えていきたい。それだけなんです。



……私は、彼を愛している。それだけなんですよ。








「……確かに、彼女は強い女性(ひと)です。
 僕も、あの世界からは…少なくとも自分は、足を洗ったつもりです。
 ――それでも過去は変わらない。危険が及ぶかも知れない。
 こんな奴でもいいなんて……信じられません。」
覚悟は決めている、それでも好いている。
そんな彼女の言葉を思い出しながら、聞いた言葉。
普通ならそう答えるだろうな。と思った。
だが、一瞬過った彼女の泣き顔。それを思い出すとそうは行かなかった。
あんな言葉を言っていても、やはり強がっている部分があったのだ。
彼に近づき、ちょっと失礼。顔を向かせる。
そのまま、彼の頬を一度強く、思い切りひっぱたいた。
今まで、誰かをひっぱたくなんて滅多にないけれど
この時だけは、どうしても手をあげずにいられなかった。
乾いた音が部屋に広がる。そして、尋ねた。






「……君は、これを痛いと感じる?
 感じなかったら、それはそれでいいんだけど。
 危険が及ぶかもしれない?…そんなの、ホストやってた僕に関わってる時点で
 もう危険だよ。終わりだよ。
 ……危険なんて、生きてたら絶対めぐり合う。そうだろう?」






記憶をなくして、色々仕事を転々としていた時
何度も危険を味わった。昔みたいに、誰にも助けを求める事なく。
誰も守ってくれなかったから、自分で自分を守るしかなかったから。
大好きな人を、危険な事に巻き込みたくない。その気持ちは痛いほど分かる
でも、僕は彼女の泣き顔を見たくない。それが自分にとって
一番のダメージだという事が、分かっているから。




手を上げた事に関しては、あとで叱りでもいくらでも受けよう。
だが、手っ取り早く伝えるにはこうしかなかった。
ホストをやってた時は、光が見えなかった自分を救ったのは、あの子だった。
だから、誰よりも幸せを願うのだ。例え仮の『家族』だとしても






 ――僕にとっては、かけがえのない大事な『妹』なのだから。







「……そう、ですね。肝心なのは、いかにして乗り越えるか…でしたね。」
最初帰ってくるのは、罵倒だと覚悟していた。
何で殴るんだ。そんな返答を予測していた。
でも、彼から帰ってきたのはこんな答えで。
何処か後ろ向きで、何処か前向きな部分のある彼に
驚きながらも、顔には表さないように気をつけながら言った。
「…もし、僕に対して申し訳ないと思うなら、
 すぐにその過去を振り切れとは言わない。
 だが、それで彼女を落ち込ませるような事をするな。
 危険な目にあわせたくないなら君が護ったらいい。支えたらいい。
 …過去はいくらでも返せる。人生はまだあるんだから。
 君はもう繰り返すつもりはないんだろう?
 だったら、それだけでいい。恨む理由なんて…もうない。」
一度離れて、ため息をつく。
格好つけてる。愚かだと思われてもいい。
ただ、伝えたかっただけだった。自分らしくないけど。




「はい。…ありがとうございます。守ってみせます。」
久しく見た彼の笑顔、少し泣きそうになっていて若干情けなくなっているけど。
その顔を見ると、思わず自分も釣られて笑みを浮かべてしまう。
「よろしい。それでこそ僕の見込んだ男だ。」
ニコニコ笑いながら、いつもの笑みに戻して肩をポン。と叩いた。
また落ち込んだら、一喝してあげる。と嫌味っぽく付け足す。
まぁ、そんな事したら多分彼女に滅茶苦茶怒られるだろうから、滅多にしないけど。
「彼女にも…そう伝えなければ、いけませんね。」
そして、続く言葉にはやっぱり気づいてないんだな。とわざとらしくため息。
隣の部屋を、指さしながら
「だったら、隣にいるからすぐに言ってあげなよ。 …今回の、おばかな協力者さんにね♪」
そう言ってそのまま、意地悪く微笑む。





今回の協力者である、赤いルージュや黒いドレスの似合わない
大事な大事なあの子、妹は、きっと今は隣の部屋にいるだろうから。






そんな彼の反応は……言うまでもなかった。
相手の驚きよう、そして顔の赤くなる動作。思わずそれを見て吹いたのは言うまでもない。
吹いた後、笑うのを必死にこらえたが無理だった。
いや、そりゃあ驚くかもしれないけど、そこまで反応しなくても。と。
彼らしい動作に彼らしい反応。
ああ、やっぱりこの子をからかうのは面白い。やめられない。と改めて実感。
「えと……はい;」
襖を開ける一連の動作もぎこちない。まるでオイルの切れたロボットのようだ。
失礼します。という声は一応聞こえたけど、それでも動作に夢中になって笑いが止まらない。
それでも、去っていく彼には一言。「もっと自信を持っていいんだよ。」と言った。
聞こえているかな?と若干心配にはなったんだけれども
「…はい。」と微笑んでいる所を見ると、多分聞こえたんだろうな。と確信出来た。
その後、静かに襖は閉められ、僕は1人になった。




彼の去った部屋、何かが一気に崩れ去るようにその場に寝転がる。
あとは、彼らで解決する事。僕が出来るのはここまでだ。
まぁ、最初から介入するべき事だったかな。と思うけどいいか、そこは。
…今日は、家に帰らず誰かの所に泊まろうかな。
ちょっと、誰かに甘えたい気分になっちゃったし。どうせとーまとかに甘えても
無視されるの、分かってるからね。
……ちょっと、彼の弟にでも甘えてくるかな。
相手がどう反応するか、分からないけれど。





  ――さぁ、あとは君がどうにかするんだよ。ice。
     あんな答えを出したんだから、ね。






――――――――




隣の部屋、じっと待機していた私は
突然の彼の発言に驚いて…急いでルージュを拭き取る。な、何言ってるの慎さんは!!
慎さんが、彼…ギリジンさんにちょっと話あるんだけど
連絡も取れないし、ちょっと作戦あるから。とか聞いて協力したいな。と思って
反対を押し切って、何とか作戦に介入出来る事に成功したいんだけれども。
協力する代わりに、正体はバラさないって方向でいいね?と言う約束だった。
間違いない。聞き間違えてない。
なのに、なのにここでバラしちゃって、しかも彼を向かわせて。
何を考えているの慎さんは。相変わらずあの人の考えている事は分からない。





ただ私は、彼の顔が見れるだけでよかったのに。
例え今回の作戦の結果が、どんな答えになろうとも。





「…iceさん。」
懐かしい声、優しく囁かれる声にゆっくりと後ろを振り向いた。
懐かしい姿、思わず正座。久しぶりに見る彼の顔はやはり格好いい。思わず赤くなってしまう。
でも、まずは言うべき事がある。見とれている場合じゃあないのだ。
「…ごめんなさい、貴方が絡んでると聞いてどうしても…何かしたかったんです。
 こんな事しちゃって…可笑しい、ですよね。」
ドレスの裾を少し握る。恥ずかしさと申し訳なさが一気に溢れた。
思わず下を向いてしまったから、彼がどんな反応をしたかは分からない。
でも、否定の言葉が聞こえてないから、多分否定はされていないとは思うのだけれども。
そっと、彼が私の目の前に座り、正座をして手をついたのが、分かる。
そして、彼はそのまま何かを語るように、言った。




「僕が君のお兄さんにしたことを、許してもらおうとは思わない。
 でもこれから先は――どんなことがあっても、君を守る。守ってみせる。
 伝えるのが遅くなってごめん。こんな僕だけど…
 もし君さえよければ、また、一緒にいさせてほしい。守らせてほしい。
 
 償いにもならないけど…そのことだけ、許してください――お願いします。」




彼はそのままゆっくりと、彼が頭を下げた。
彼の言葉を、聞き落とす事なく全て受け取める。
確かに、彼のやった事はとても重いのかもしれない。
でも、今の彼はその過去を越えて前へ進もうとしている。
それでいいのだ。自分も彼同様恨むつもりもない。
彼が、もう繰り返す事はないと分かっているから。信じているから。
ただ、違うのは彼と一緒にいたいだけ。





会えず寂しかったのは偽りではない。とても寂しかった。
寂しさゆえに彼のくれた指輪に、そっと口付けた事もあった。
それほど寂しかったのだ。彼はどう思っているかわからないけれど。
頭を下げないで、と彼の顔を上げさせるとゆっくりとした口調で、言った。
「…償いなんて考えないで、言ったでしょう?
 私は、『貴方』自身が好きなんです。と。
 私の方こそ、一緒にいさせて。…貴方の大事な人でいさせてください。
 もう、それだけで…いいんです。」
涙を堪え、ゆっくりと笑みを浮かべる。
そしてそのまま手袋を外し、彼からもらった指輪を見せて
「…この指輪にかけて、偽りはありません。本当ですよ?」
…なんて、言ってみたりもした。
指輪は、外せるはずがなかった。
忘れる事の出来ない女だと思われるかもしれなかった。
それでも、あの時もらった言葉が嬉しくて、忘れられなくて。
仕事やお風呂以外の時はずっとつけていた。
自慢とかじゃないけれど、外したくなかったから。ずっとつけていたかったから。
それだけ大事な、私の宝物だから……。





「…っ。ありがとう。絶対に守るからね…愛してる君を。」
彼の言葉と共に不意に抱きしめられ、一瞬驚くが
久しく感じる彼の温もりに耐え切れず涙がひとつ、落ちる。
温かい、あたたかい。とても、すきなあたたかさ。
ずっと、感じていたいほどの温かさが私を染めていく。
出る言葉が、思わず子供のようになるほどに。
「…私も、貴方が大好き。……大好き。なの。」
そのまま、彼の胸に顔を埋めた。
彼の温かさを、より感じるように。
彼の温かさを、より受け入れるように。





涙は流さないつもりだったのにな。とそっと目を擦る。
顔を上げてよく見たら、彼も涙を流している。
思わず、少し笑ってしまった。笑ったらいけないところかもしれないけれど。
幸せな気分になっていたら、ほころんだ顔をした彼が言う。
「ドレスの君も、すごく綺麗だ。」と。
綺麗なんて言葉、勿体ないのに。
実は大人っぽすぎてあまり似合ってない。と言われたこのドレス。
自分もそう思ってたから、その言葉は少し照れくさかった。
その言葉の後、重ねられた唇には思わず、
赤くなると同時に自分も目を瞑る。
告白されて、結ばれた時のキスを思い出す。
彼を、心から感じていたいから。
とても幸せなこの気分を、心から感じていたいから。






本当は、とても不安だった。
それでも一緒にいたい。と思っても、やっぱり怖かった。
私は、そんな立派な人間じゃない。強がりなだけなんです。
支えていきたい。そんな気持ちだけを強く持って
自分自身を立てている事が、あったから。
好きなのは変わらない。でも怖かった。
彼の過去を知っても、本当に関わりたいの?と。
介入する事は迷惑じゃないの?と。何度も思った。




でも、はっきりとした。
迷いなんて、持つ事なかったんだ。
彼の姿を見たら、そんな迷いなんてすぐ捨てれた。
それだけ、彼を好いているんだ。
お母さんが、お父さんをずっと好いている理由がちょっとだけ分かった気がした。
私達を振り返らず、自分の道だけしか見なかった父でも
それでも支えていこう。と決めた母の気持ちを
少しだけ、分かったような気がした。









だから、守ってください。
そして、守らせてください。
……私の大好きな、探偵様。








Next 「後日談」



――――――――――――――



改変大量、申し訳ありません。
そしてうp大遅刻、申し訳ございません(土下座)
とりあえず、こっち側はこんな感じです。はい。
前後編にわけてよかった。これ大量すぎる。うん。


実質、慎は昔は明るいけど泣き虫な人間でした。
今では、あんな感じでかなり強くなっておりますが
昔はよく言えば、それだけ純粋だった。と言う事になります。
記憶なくしてから守る人いなくなって、ひねくれたって事でしょうか。
まぁ、一応よいお兄ちゃんしている辺りは兄の影響もある。と言う事になりますか
優しいところがあるのは変わってないんです、実は。


ホストをやっていた。と言うのは以前から考えていた設定でした。
Anキャラをホストにしていいんかい。と突っ込まれそうですが
もうドS保護者の称号を持っている時点でアウトです、終わりです(笑)
恋愛に関しても、ホストやってた事で何かに気づいたというか
そんな奴がホストやんじゃねぇ。と思われそうですね。ホストは言ったら女を一時的に
騙すというか、癒す職業だと自分は思っているのですが…。
まぁ、やっていたのは一時的な間ですからね。今は健全なコックさんですよ。


彼女も彼女で、強いフリして実は心の面では結構弱かったり。
こんな奴らばっかですね、うちの面子。
言うならば純粋に好いている。という気持ちで動いているからか。
心境場面書いてていつも思う、砂糖何杯はけるかなぁ。と。
とりあえず、自分はiceの心境書いてて砂糖30杯は吐きました。うん。



後日談は、まぁ結構はっちゃけるつもりなんですが無理な確率100%
近日公開するんで、もう少しお付き合いくださいませ。
関係者様には、本当に感謝。頭下げても下げ切れません。本当に。



何というか……有難うございましたーーー!!!(脱兎)



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myuu-0240

Author:myuu-0240
AnAnやQMA等、アーケードゲームに侵食されている

中身の日記です。

基本、色々だべっててまとまりはない←





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メール等はこちらからお願いします



myuu1268@yahoo.co.jp



カードデータ等はデータ参照で

An×Anのカードデータは>ここ

(2,20更新)





雑食が酷くなってる今日このごろ。どうしよう(ぁ)




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